バリア技術―基礎理論から合成・成形加工・分析評価まで

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バリア技術―基礎理論から合成・成形加工・分析評価まで

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  • サイズ A5判/ページ数 196p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320044470
  • NDC分類 501.4
  • Cコード C3043

出版社内容情報

バリア技術とは,フィルム,ゴム,接着材,ボトル容器などの材料が,酸素や水蒸気などのガスや蒸気,また水などの液体を遮断する特性に関する技術である。
 これまで,バリア材料の開発とそれらのバリア性評価の検討は,1950年代から続く食品包装フィルムの分野で主に行われ,ボトルなどの容器へと展開されてきた。しかし近年急速に発展している有機ELや太陽電池などのフレキシブル基板で必要とされるバリア性は,食品包装分野で求められるバリア度よりも数桁厳しいとされており,従来とは違った視点からのハイバリア性に関する基礎科学と応用技術の構築が求められるようになっている。この流れが従来の食品,医薬品やエレクトロニクス部材などの包装分野での新しい展開の可能性を広げる相乗効果ももたらしている。さらに,有機ELや太陽電池などのデバイス全体として見た場合,フレキシブル基板だけでなく封止材にも同レベルのバリア性が要求されている。また,封止材を厚くしたシーリング材は,土木・建材分野の防水・防湿や,自動車等の安全性を担うオイルシールなどにも展開されている。
 このように幅広い産業分野で必要とされているバリア技術であるが,その基礎は同じである。科学技術だけでなく学問としても成熟してきている。本書は,このバリア技術の基礎科学と応用技術を体系的にわかりやすく解説する教科書として,バリア技術を専門に取り扱う国内唯一の学術団体である一般社団法人バリア研究会が責任を持って監修した。

第1章 バリア技術概論
1.1 バリア技術とバリア産業
1.2 バリア性の定義と関連用語
1.3 バリア技術の歴史
1.4 バリア性の理論
1.5 高分子の合成
1.6 高分子の性質
1.7 バリア材料の成形加工法
1.8 バリア材料の分析評価
参考文献

第2章 バリア性の理論
2.1 物質移動の分類
  2.1.1 ガスと蒸気の定義
  2.1.2 多孔材と非多孔材
2.2 多孔材中の物質移動
  2.2.1 Poiseuille 流れとKnudsen 流れ
  2.2.2 表面拡散
  2.2.3 複合流れ
  2.2.4 毛管凝縮
2.3 非多孔材中の物質移動
  2.3.1 非多孔材における物質移動の駆動力
  2.3.2 Fick の法則
  2.3.3 非定常状態と定常状態
  2.3.4 溶解拡散機構
  2.3.5 溶解性
  2.3.6 拡散性
  2.3.7 温度依存性
  2.3.8 結晶化度の影響
2.4 多層材中の物質移動
  2.4.1 有機層と有機層
  2.4.2 有機層と無機層
2.5 複合材中の物質移動
  2.5.1 有機相と有機相
  2.5.2 有機相と無機相
参考文献

第3章 バリア材料の合成と成形加工
3.1 高分子の合成
  3.1.1 合成法の分類
  3.1.2 連鎖重合
  3.1.3 逐次重合
  3.1.4 高分子反応
3.2 高分子の性質
  3.2.1 高分子の構造
  3.2.2 高分子の分類と特徴
  3.2.3 熱特性
  3.2.4 粘弾性
3.3 成形加工法
  3.3.1 成形加工法の分類
  3.3.2 押出成形
  3.3.3 射出成形
  3.3.4 ブロー成形
  3.3.5 薄膜の形成
参考文献

第4章 バリア材料の分析評価
4.1 分析評価法
  4.1.1 分析評価法の分類
  4.1.2 力学的測定
  4.1.3 熱的測定
  4.1.4 光学的測定
  4.1.5 電気的測定
  4.1.6 構造観察
4.2 透過度測定
  4.2.1 測定法の分類
  4.2.2 圧力法
  4.2.3 容積法
  4.2.4 キャリアガス法
  4.2.5 カルシウム法
  4.2.6 カップ法
  4.2.7 電極法
参考文献

索 引

目次

第1章 バリア技術概論(バリア技術とバリア産業;バリア性の定義と関連用語 ほか)
第2章 バリア性の理論(物質移動の分類;多孔材中の物質移動 ほか)
第3章 バリア材料の合成と成形加工(高分子の合成;高分子の性質 ほか)
第4章 バリア材料の分析評価(分析評価法;透過度測定)

著者等紹介

永井一清[ナガイカズキヨ]
明治大学理工学部応用化学科教授。1996年3月に明治大学大学院博士後期課程を修了後、信越化学工業(株)、米国ノースカロライナ州立大学、豪州政府研究機関CSIROを経て、2002年4月に明治大学理工学部に助教授として着任、2007年4月より教授。バリア研究会会長、ISO‐TC61でConvenor等を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。