出版社内容情報
人類学のポストモダンの旗手・クリフォードらによって提出された,文化人類学にたいする根底的な批判の書。「文化を書く」,つまりフィールドの体験を記述する「民族誌」をめぐるさまざまな問題を,デリダ哲学,文化理論,歴史学などを交錯させながら論じる。この十年来,人類学のみならず,社会科学,文化研究などに大きな影響を与えてきた重要文献。
内容説明
1984年、サンタフェにて、「民族誌を書く」ことをめぐる文化人類学のセミナーが開かれた。人類学における「ポストモダン」の提唱者、クリフォード、マーカスをはじめ、クラパンザーノ、タイラーら、さまざまなスタイルを持つ人類学者が集まり、先鋭的な議論をたたかわせた。このセミナーでの発表をもとにして編まれたのが本書である。デリダ哲学、文学理論、歴史学などを交錯させながら、それまで自明とされてきた民族誌の方法論、そして人類学のあり方を根底から問い直す。人類学に新たな展開をもたらすとともに、社会科学、文学、文化研究などのさまざまな分野において評判を呼び、多大な影響をあたえてきた重要な著作である。
目次
第1章 序論―部分的真実
第2章 共有された場をめぐるフィールドワーク
第3章 ヘルメスのディレンマ
第4章 テントの入口から
第5章 民族誌におけるアレゴリーについて
第6章 ポストモダンの民族誌
第7章 イギリス社会人類学における文化の翻訳という概念
第8章 現代世界システム内の民族誌とその今日的問題
第9章 民族性とポストモダンの記憶術
第10章 社会的事実としての表現
著者等紹介
クリフォード,ジェイムズ[クリフォード,ジェイムズ][Clifford,James]
カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校知覚歴史学科教授。History of Anthropologyの編集委員を務めるとともに、宗教伝道の言説、旅行記、民族誌、博物館等々の歴史について、広範な著述をおこなっている
マーカス,ジョージ[マーカス,ジョージ][Marcus,George E.]
カリフォルニア大学アーバイン校教授。Cultural Anthropologyの編者を務めるとともに、ポリネシアや合衆国のエリートについての研究や、民族誌におけるテクスト戦略について著している
春日直樹[カスガナオキ]
1953年生まれ。現在、大阪大学人間科学研究科教授。『太平洋のラスプーチン』(世界思想社)でサントリー学芸賞受賞
足羽與志子[アシワヨシコ]
1957年生まれ。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授
橋本和也[ハシモトカズヤ]
1947年生まれ。現在、京都文教大学文化人類学科教授
多和田裕司[タワダヒロシ]
1961年生まれ。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授
西川麦子[ニシカワムギコ]
1961年生まれ。現在、甲南大学文学部社会学科教授
和邇悦子[ワニエツコ]
1957年生まれ。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
よきし
★★★★★
☆☆☆☆☆☆☆
YGASM