また明日会いましょう―生きぬいていく言葉

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  • サイズ B6判/ページ数 176p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784309026466
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「青ベか物語」や「さぶ」まど、数多の名作を残した作家の、人生とはどういうものかをしみじみと味わわせてくれる珠玉のエッセイ集。

内容説明

古風な義理人情のために。生きることの本質をみつめる。どこかで自分の人生とはぐれてしまった人にも、生きぬいていくエールを贈る。温かいエッセイの花束。

目次

1 自作を語る(青べかを買う;驢馬馴らし ほか)
2 小説について(「面白さ」の立場から;小説の効用 ほか)
3 わたしの事ども(可笑記;性分 ほか)
4 袖ふりあうも(荒凉の記;国史に残る忍城の教訓 ほか)

著者等紹介

山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903年、山梨県生まれ。作家。関東大震災で被災し、神戸に転居、地方紙に職を求める。上京の後、千葉県浦安に移り、作家活動に入る。報道班員を辞退するなどの戦中時代を経て、戦後は横浜に居を定め、旺盛な作家活動に入る。映画化された作品も多数。1967年逝去。その業績を顕彰し、山本周五郎賞が設けられている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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びわこっこ

31
山本周五郎全エッセイ集より、抜粋して、現代に生きる氏の言葉、作品の背景を解説したもの。長男を切迫早産しそうになって、1ヶ月寝たきり入院したときに、病院で『青べか物語』を読んだ。このエッセイ集の「自作を語る」で筆者が実際に「青べか」を購入して、二、三冊の書物を携えてべか舟に乗り込み、河口に近い蘆の茂み近くで書物を読むのが日課だったと知る。『樅の木は残った』『日本婦道記』『赤ひげ診療譚』などの時代小説を貫くのが、武士道思想であることを知り、年齢を重ねた今、作品を読み返したいと思った。2022/12/17

ワッピー

9
山本周五郎の戦中~戦後時代のエッセイ集。小学生の頃から山周の小説で育ったワッピーには新鮮でした。有名な青べかの話は、「ボートの三人男」を思い出させる愉快なシーンがあり、舟に不慣れな人の勘所は東西あまり変わらないようです。師走の雑踏の中、散歩中の子犬がボロボロの主人をちらっと見上げてはまた歩く、また見上げるということを繰り返す後を長くついて歩いたというエピソード、友人へのメッセージ、文学賞辞退の矜持、自虐ネタの他、時局柄、国民の奮起を促す(あまり似合わないような)文章もありますが、いずれも優しさを感じます。2018/05/26

emiko

5
山本周五郎さんのエッセイである。はじめて読んだが、直木賞辞退のことなども書かれているが、作者らしいと思う。日常的な場面をこの作者が描くと、表情から身につけているものまで、こと細やかな観察力が伺えて非常に面白い。人気作家でありながら、政治に対しても辛辣な言葉がでてきて 胸がスカッとする程である。2023/02/01

ひさか

5
1980年2月中央大学出版局刊の完本山本周五郎全エッセイ集<増補版>より33篇を抜粋して、2018年1月河出書房新社から刊行。1934〜1966年のものが収められていた。山本さんの小説への想いに関する話がいくつかあり、その真摯さに、居住まいを正して読みました。2018/05/01

4
山本周五郎は「さぶ」くらいしか読んでいない。「さぶ」はとても良かったので、人間の深さを味わえる作家だと思っている。ただ、こういうエッセイ等を読むには勉強不足だった。心の優しい人だったのだなぁと感じるけれど、時代が違い社会の環境が違うということも相まって、もっと色々読んでからでないと、よく分からないことが多い。勝手な想像の範囲で読むのも、それはそれでいいのだけれど。2020/09/27

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