内容説明
被害者の声を受けとめた解決とは何か―政府間「合意」の評価をめぐる深い溝。日・韓の識者が、その原因を徹底検証し、未来へ向けて果たすべき責任を探る。戦時性暴力の歴史を断ち切るために。
目次
日本軍「慰安婦」問題でなお問われていること―「終わらせる合意」に抗して
第1部 「慰安婦」問題は終わらない―「解決」を問い直す(「慰安婦」問題の解決をめぐって―加害責任を問うことの意義;日韓「合意」の何が問題なのか;「法的責任」の視点から見た二〇一五年「合意」;日韓のメディア比較―「合意」をめぐって何を伝え、何を伝えなかったのか;国連人権機関による日韓「合意」の評価―女性差別撤廃委員会を中心に)
第2部 強まる「加害」の無化―新たな歴史修正主義に抗する(破綻しつつも、なお生き延びる「日本軍無実論」;『帝国の慰安婦』と消去される加害責任―日本の知識人・メディアの言説構造を中心に;フェミニズムが歴史修正主義に加担しないために―「慰安婦」被害証言とどう向き合うか;アメリカで強まる保守系在米日系人・日本政府による歴史修正主義)
第3部 未来への責任―正義への終わりなき闘い(「慰安婦」問題を未来に引き継ぐ―女性国際戦犯法廷が提起したもの;未来志向的責任の継承としての日本軍「慰安婦」問題解決運動;戦争犯罪への国家の謝罪とは何か―ドイツの歴史を心に刻む文化;サバイバーの闘いをどう受け継ぐのか)
著者等紹介
中野敏男[ナカノトシオ]
東京外国語大学名誉教授(社会理論・社会思想)
板垣竜太[イタガキリュウタ]
同志社大学社会学部教授(朝鮮近現代社会史、文化人類学)
金昌禄[キムチャンロク]
慶北大学法学専門大学院教授(法史学)
岡本有佳[オカモトユカ]
編集者、Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題サイト運営委員
金富子[キムプジャ]
東京外国語大学教授(植民地朝鮮ジェンダー史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
matsu
かじやん0514
Takao
Miki Shimizu