出版社内容情報
日本の経済・財政危機の原因、近年の政策の動き、そして新しい福祉国家のための財政原則を具体的に示す。
【著者紹介】
1947年生まれ。神戸大学教授。著書に『新自由主義からの脱出――グローバル化のなかの新自由主義vs.新福祉国家』(新日本出版社、2012年)、『橋下主義解体新書』(高文研、2013年)ほか多数。
内容説明
アベノミクスとは違う本物の経済再生を!深刻化する、暮らしの危機と財政危機。それらを同時に解決していくために、経済・財政危機の原因と、新しい福祉国家型財政の原則を提示する。
目次
序章 競争国家か福祉国家かの対抗関係
第1章 財政危機のなかの福祉国家型財政への道
第2章 財政危機の原因と、打開策としての福祉国家型財政
第3章 福祉国家における社会保険制度
第4章 現代日本の「社会保障と税の一体改革」をめぐる二つの道
第5章 福祉国家型地方自治のもとでの自治体財政の争点と将来
第6章 グローバル化のなかの福祉国家型国民経済の展望
著者等紹介
二宮厚美[ニノミヤアツミ]
1947年生まれ。神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
7
こんにちの財政に対して、1)新自由主義、2)ポスト福祉国家、3)新福祉国家の3つの対立軸があると述べられます。そして、1)2)はこれまでの財政民主主義の垂直的税制から水平的税制への変革を目指すと指摘されています。これは自助・共助の論理とも結びつき、「わかちあい」の税制論理です。そして水平的税制の代表として消費税が取り上げられ、その逆進性の高さを含めた欺瞞性が暴露されます。財政危機を乗り越える上でも求められるのは3)の方向であり、応能負担原則の民主税制を確立していくことの必要性を考えられる一冊です。2014/04/15
Takao
2
2013年5月31日発行。新福祉国家構想を財政的に裏付ける労作。「社会保障と税の一体改革」=社会保障削減・消費税増税路線に、労働組合など(かつては消費税に否定的だった)も賛成しているのはなぜか、という疑問が解けた。新自由主義には批判的な「ポスト福祉国家」派が、実は「消費税の基幹税化」に迎合し、所得税基幹税主義の解体に手を貸すという点では新自由主義と同じスタンスに立っていること、「3党合意を守らない現与党が悪い」「守られれば消費税も悪くない」「消費税に頼るのはやむを得ない」という主張の間違いがよくわかった。2016/05/01
むっち
1
かっての資本主義か、社会主義かという争点もそうだったが、対立点ははっきりしていても、現実に動いている経済政策の中でなかなかそんな発想も議論もしにくいものだ。具体的に、どのように変革ン道筋を示すのかが示されないもどかしさがあった。今日では資本主義制度の枠組みの中でも「金融資本の自由な運動は、今後の発展のために必要」と考えるのかそれとも「人間の生活のために規制するのか」とう争点だが、マスコミでは金融資本は国境を越えるから資本が他国に逃れないように課税は回避し縮小する政策が前提とするから、いつまでたっても景気浮2014/06/29
みのさん
0
よし2013/06/10