内容説明
「新潟の奇跡」の立役者が明かす、“市民+野党”の勝利のメソッド。「観客民主主義」を超え、この国の政治を再生するために―市民が身につけるべき「政治の技法」を実体験から語る!
目次
1章 「新潟の奇跡」はいかにして実現したか(「新しい政治」が生まれている;「共闘」を可能にした新潟の風土;前代未聞の“市民+野党”の共闘選挙;参院選の教訓)
2章 原発再稼働を問うた新潟県知事選(降ってわいた県知事選;「依存か自立か」を問うた選挙戦;「オポジション」と野党の役割;米山知事の誕生、そして市民の責任)
特別座談会 山口二郎さん×市民連合@新潟
3章 新しいデモクラシーを育てる(技としての市民政治;なぜいま、参加民主主義が必要なのか;参加民主主義の制度化という課題)
著者等紹介
佐々木寛[ササキヒロシ]
1966年香川県生まれ。新潟国際情報大学国際学部教授(政治学・平和学)。日本平和学会理事。「市民連合@新潟」および「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」共同代表として、2016年参議院選挙および新潟県知事選挙で野党統一候補の擁立に貢献。一般社団法人「おらって にいがた市民エネルギー協議会」代表理事として、市民発電事業を通じた持続可能な地域社会の実現にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
16
著者は二連ポスターの意味を知らなかったそうで、政治学者と言われる方でも現場の事は結構知らないのですねと改めて思う。/論理による説得ではなく「あの人はここに来てくれた」という人間関係の濃淡によってことが決まる世界が確かにあるのではないか。知識として知ってはいましたが、人が選挙で投票するとは本来どういうことなのか、もう一度根本から考え直さなければいけないと感じた経験。/ホモ・エコノミクスの政治学版みたいな像があるのかな。/ファシリテーションの技術への言及、「市民」を安売りしすぎない等々刺激を受ける記述多数2017/11/03
ひかりパパ
13
今夏に参議院選挙が行われるが、市民と野党の共闘を考えるために再読。候補者選びから選挙運動を通じて、市民が変わり、野党も変わり、政治家も生まれ変わる。著者は、政治家がどういう人に支持されて、どういう選挙戦を経たかがその政治家を作ると言う。「選挙は、政治家自身が学び、成長するという場 」と言う箇所に太いアンダーラインを引く。2019/01/20
ひかりパパ
12
先の衆院選で新潟では6つの小選挙区のうち5選挙区で市民と野党の共闘が組まれ、野党統一候補が3小選挙区で勝利した。新潟は、昨年の参院選、県知事選に続き、市民と野党の統一候補が3連勝した。本書では新潟で市民が政治に参加し、選挙を通じて学び、候補者も市民も変化していく様が生き生きと描かれている。「選挙とは、定期試験の様なもの。一夜漬けでは勝てない」という言葉が印象的。選挙の時だけでなく普段の市民運動が大切。2017/11/19
はづき
7
思わぬ形での再びの知事選挙。新潟は環日本海圏の要やから、政府にとってもただのいち都市ではないはず。しかし信をおくべきはこういう経験を積んで変化している新潟に住む人々だろう。それにしても、教育実践の到達は民主主義の担い手の育成だけれど、政治学の世界では教育実践の到達の逆輸入はないのだろうか。2018/05/20
かじやん0514
6
タイムリーでほかの人もおっしゃるように内容もよくて読みやすかっただけに、2点ばかり要望ないし苦言を。①県知事選挙でどう市民を巻き込んで政策をつくることができたのかもっと詳しく書いてほしかった。②82~83ページに公選法を学ばなければならない、という点が参院選総括のひとつとしてあげられているが、本当に市民が選挙や政治に参加することを目指すなら、日本の公選法は学ぶべき対象ではなく、変えるべき対象。戸別訪問ができないとか、文書図画の配布が自由でないとか、限られた人しか参加させないのがいまの公選法なのだから。2017/11/04