文春文庫<br> 静かな炎天

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文春文庫
静かな炎天

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167906740
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

持ち込まれる依頼がすべて順調に解決する真夏の日。不運な女探偵にも遂に運が向いてきたのだろうか? 葉村晶はある疑問を抱く――。・バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す…「青い影?7月?」

・かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く…「静かな炎天?8月?」

・35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される。…「熱海ブライトン・ロック?9月?」

・元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた。…「副島さんは言っている?10月?」

・ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか?…「血の凶作?11月?」

・クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く「聖夜プラス1?12月?」。



有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます。好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。



解説は大矢博子氏。

若竹 七海[ワカタケ ナナミ]

内容説明

ひき逃げで息子に重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く(「静かな炎天」)。イブのイベントの目玉である初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日(「聖夜プラス1」)。タフで不運な女探偵・葉村晶の魅力満載の短編集。

著者等紹介

若竹七海[ワカタケナナミ]
1963年、東京生まれ。立教大学文学部卒。1991年、「ぼくのミステリな日常」で作家デビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞。2015年、「さよならの手口」でミステリファンクラブ・SRの会による“SRアワード2014”国内部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

444
葉村晶が不運なのは、人が良くて、責任感が強くて、物事を人任せにできないからだろう。まあ、葉村に全部おっ被せちゃう富山店長もそこそこ不運なんだけどね。不運は不運を呼ぶのかな。「血の凶作」が好みだった。富山店長の人格はともかくとして、ミステリの趣味は素晴らしい。『バートラム・ホテルにて』の評価が低いのが意外だったけど。『レベッカ』と『バートラム・ホテルにて』のお茶や朝食のシーンは実際よだれもの。菌類学者が主人公の架空のミステリ、若竹さんが書いてくれないかな。2016/12/31

遥かなる想い

395
2017年このミス国内第2位。 女探偵葉村晶の短編集。 どこか憎めないキャラが楽しい。 動き回りながら、タフに謎を解くという タイプで ひどく庶民的な人物造形と 各所に散りばめられている古典ミステリーが 人気の秘密なのだろう..晶の翻弄され方が 可笑しい そんな短編集だった。2017/01/06

中原れい

345
また会えて嬉しい葉村晶もの短編集。シリーズ初期に比べ探偵業もスマホで過去検索するのはうんと早くなったけど、運の悪さと(犯罪の)引きの強さはあいかわらず。四十肩に泣かされながら、仕事に向かえば大事故にぶつかり空き瓶を頭に当てられ荷物をひったくられて、あるときは心ひそかにあるときは大声で的確で笑えるシニカルな毒を吐いて突き進む晶はサイコーです。2016/09/15

星落秋風五丈原

235
なぜか引きも切らず依頼人がやってくる。ところがその依頼が次から次へと解決。フツーの探偵ならば「今日はラッキー」と喜んで終わるのに、晶はある事に気付いてしまった。優秀すぎる探偵だからこそ人々の悪意も見えてしまう表題作『静かな炎天』。優秀すぎる探偵というのも考えもので人の悪意にも敏感になる。だから表紙の彼女は唇を噛みしめて言いたい事をぐっとこらえているのか。『聖夜プラス1』は『深夜プラス1』パロディ版。深夜に届けものを頼まれた葉村晶が、訪ねた先で新たな頼まれごとを抱え込むうちにタイムリミットが近づいてくる。2016/08/30

ぷう蔵

217
クールで格好いいステキなオンナ探偵のイメージなのに、どうしてこんなにも不運で、お人好しで、不器用なのだろうか?でも何故か上手いこと回ってちゃんと結果が出てくる。それも葉村晶の実力なのね。このくらいの短編はテンポよく読めて小気味いい。ミステリー専門の本屋が舞台っていうのもなかなか面白く、設定はノンフィクションか?と思ってしまうほど…。吉祥寺の住宅街って、あの辺かなぁと勝手に妄想にふけった。自分もbook caféとかができたら愉しかろうと最近よく考える。が、探偵社は併設しませんよ…。2017/01/20

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