出版社内容情報
旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった。若き日をささげた恋人の秘密とは。恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を味わいつくすこの秋、没後90年を迎える歌人・若山牧水。その短歌は教科書にも取り上げられ、ひろく愛誦されている。
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く
幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく
これらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との痛切な恋があった。
早稲田大学の学生だった牧水が若き日をささげた恋人には、秘密があった。彼女は実はすでに人妻で、郷里に二人の子どもまでいたのである。
恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を、高校時代から牧水の短歌に共感し、影響を受けてきた人気歌人が味わいつくす、スリリングな評伝文学。
俵 万智[タワラ マチ]
著・文・その他
内容説明
旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった。若き日々をささげた恋人の持つ秘密とは。恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を味わいつくすスリリングな評伝文学。
目次
幾山河越え去り行かば
白鳥は哀しからずや
いざ唇を君
牧水と私
疑ひの蛇
わが妻はつひにうるはし
わかれては十日ありえず
私はあなたに恋したい
酒飲まば女いだかば
眼のなき魚〔ほか〕
著者等紹介
俵万智[タワラマチ]
1962年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。87年刊行の歌集『サラダ記念日』で翌年、第32回現代歌人協会賞を受賞。以降、幅広い執筆活動を行い、96年より読売歌壇の選者を務める。2004年、『愛する源氏物語』で第14回紫式部文学賞、06年、『プーさんの鼻』で第11回若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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