明日のことは知らず―髪結い伊三次捕物余話

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163815800
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

大人気シリーズ「髪結い伊三次捕物余話」11巻目。江戸に起きる事件を通して、伊三次をとりまく人々の心温まるふれあいを描きます。

人気の髪結い伊三次シリーズ最新作は、人情味あふれる短編6作を収録。
あやめを丹精することが生きがいの老婆が、庭で頭を打って亡くなってしまう。彼女の部屋から高価な持ち物が消えていることを不審に思った息子は、伊三次に調査を依頼する。暗い過去を持つ、花屋の直次郎が疑われるが……。(「あやめ供養」)
伊三次の弟子、九兵衛に縁談が持ち上がる。相手は九兵衛の父親が働く魚屋「魚佐」の娘だが、これがかなり癖のあるお嬢さんだった。(「赤い花」)
浮気性で有名な和菓子屋の若旦那は、何度も女房を替えているが、別れた女房が次々と行方知れずになるとの噂があった。このことを聞いた伊三次は同心の不破友之進に相談する。(「赤いまんまに魚そえて」)
伊三次の息子、伊与太が心惹かれ、絵に描いていた女性が物干し台から落ちて亡くなった。葬式の直後、彼女の夫は浮気相手と遊び歩いていた。一方、不破家の茜は奉公先の松前藩で、若様のお世話をすることになっていた。(明日のことは知らず)
仕えていた藩が改易になった男。知り合いの伝手を辿って再仕官しようとするが、なかなか上手くはいかず、次第に困窮していく。(「やぶ柑子」)
「不老不死の薬」を研究していた医者が亡くなった。彼の家には謎の物体が残されていたが、ひょっとしたらそれが高価なものかもしれないと思った家主は、伊三次に調べてもらうことに。(「ヘイサラバサラ」)
伊三次の周りの人々が、さらに身近に感じられる一冊。

内容説明

息子・伊与太が慕う相手は松前藩主のお屋敷勤めに。一方、弟子の九兵衛には思いもよらぬ縁談が持ち上がる。若い世代の成長を見つめる伊三次、お文夫婦の温かいまなざし。廻り髪結いの伊三次とその女房で日本橋芸者のお文、夫婦の周りで巻き起こる心揺さぶられる事件の数々。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
昭和24年北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学を卒業。平成7年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞し、受賞作を含む連作集『幻の声―髪結い伊三次捕物余話』で一躍注目を集める。平成12年『深川恋物語』で吉川英治文学賞新人賞を、翌13年には『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shinji Hyodo

86
先日読んだ『雨を見たか』に続き後先考えないで手にとって脇目も振らずに読みましたが、途中に何巻が有ったのか?伊与太も茜も奉公に出てるし、不破龍之進も妻を娶っているし…伊三次もお文もそれなりに…って事ですが、相変わらずにほのぼのした夫婦仲と子供たちへの思いがホッとする。髪結い伊三次シリーズ、順不同御構い無しで読んで行こうと思いはしたものの、登場人物の成長や周りの変遷を思うと順番は大事かなぁなんて思う今日この頃です(^^;;どなたか正しい読み順をご教示下さいm(._.)m2016/01/17

ひらちゃん

57
ここ何冊かでは、伊佐冶が脇役だったので少し寂しかった。この巻では伊佐冶が戻ったきたようで嬉しい。直治郎も久しぶり。まっとうに生きててくれて良かった。茜も頑張ってる。九兵衛が立派な若者になっててびっくり。大勢が伊佐冶の家に集まった時は、いい人々と関わっているなぁと感じ入った。そしてお文の啖呵は何時の時もスっとする。2018/11/29

万葉語り

49
シリーズ11作目。伊与太が里帰りしていて、伊佐次の御用を手伝うヘイサラバサラがオススメです。おふさの隣に越してきた浪人の世話をみんなで焼いて、無事再出仕が叶うやぶ柑子もよかったです。子供が大きくなって、一緒に街歩きをする場面にあこがれました。2016-642016/03/02

さなごん

40
子どものいく末を親は見守るしかないんだなあ。そこが一番しみじみした。2015/12/14

むぎじる

40
年を重ねた分、伊三次とお文だけでなく、周りの人々の話が多くなってきたけれど、久しぶりに読んでもしっくりと心なじむ素敵なシリーズ。困った人を見るとほっておけず、一肌脱ごうという人々がたくさんいる。聖人君子ではないから、くさくさすることもあるけれど、笑って乗り越えていく力がある。「やぶ柑子」改易の沙汰がくだり、裏長屋に住むことになった隼之助に、手を差し伸べるおふさや伊三次・お文の件は、泣けた。「赤のまんまに魚そえて」に出てきた言葉。”何事もない日常がありがたい”今日を迎えられたことに感謝したい気持ちになった。2013/06/11

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