内容説明
愛する友やアーティストへの敬意、家族との思い出、災厄や惜別までも、受け止めて、生きる―。悔いなき「人生の旅」をゆく著者最新のエッセイ・アンソロジー。
目次
おもてなし
どくだみ
心のゆとり
おばあちゃん
人間なんて
おもかげ
思い通りになる人生なんて
からくり
カレーライスとカルマ
下北沢のこと〔ほか〕
著者等紹介
よしもとばなな[ヨシモトバナナ]
1964年、東京都生まれ。日本大学芸術学部文藝学科卒業。87年、小説『キッチン』(第6回海燕新人文学賞)でデビュー。主な著作に『うたかた/サンクチュアリ』(第39回芸術選奨文部大臣新人賞)、『TUGUMI』(第2回山本周五郎賞)、『アムリタ』(第5回紫式部賞)、『不倫と南米』(第10回ドゥマゴ文学賞)など。諸作品は海外30数か国で翻訳・出版され、イタリアのスカンノ賞やカプリ賞をはじめ、海外でも高い評価と読者を獲得している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mukimi
107
私は今、産休というご褒美みたいな時期にあって、緩やかな時の中で自分を大切にしていられるのだけど、また春からは仕事という戦場で競争心や虚栄心や失望や疲労のまとわりつく戦いに戻ることになる。そんなヒリヒリした綱渡りのような毎日も嫌いじゃないのだ。でも、もうだめだと人生に背を向けたくなる前に、「なんで人間の体に入っちゃってるんだろう」てくらいに繊細で感受性豊かで愛に満ちた正直者のばななさんのエッセイに戻ってこようと思うのだ。何てことない一杯の珈琲、人間の不完全さへの愛、家族との時間。生きる理由はいくらでもある。2023/12/26
ぶんこ
63
分厚いのですが、文字も大きくゆったりと空間がとってあるので、意外とサッと読めてしまいました。 所々に出てくるアシスタントさんやお手伝い、一体どれだけの人を雇われているのか? 社長業とも書かれていらしたので、作家さん以外にもお仕事をされてるのでしょうか? あちこち旅行もされていて、お付き合いも多く、母親、妻と忙しそうです。 東日本大震災の事も、母親目線で書かれてました。 忙しさの中でも、キチンと生活されてるのが伝わってきます。 2015/11/01
りえこ
34
とても面白かったです。辛いこともたくさん書かれているけど、こうして受け入れて生きていく人間て、素晴らしい生き物だなと思いました。震災を思い出しました。忘れられない記憶か描かれていて、良い本です。2014/04/28
ピンクプーさん
14
エッセイ集。滋養ある言葉がたくさんつまっていた。人の死にまつわるお話が多くて、心身ともに前向きでない今はすこし重く流し読みで読了。ちょっと立ち止まって考えてみようよ、自分のこともまわりのことも、と心静かに思った。機会をみてもう一度読み返したい、今度はじっくりと。2015/08/30
まめこ
13
ばななさんの考えが詰まったぎゅっと濃縮されたようなエッセイ。いろいろな別れがあるけれどペットとの別れもほんとに辛い。1つ前に読んださようなら、ラブ子でもこちらのエッセイでもずっと家族だったわんこを亡くされたことを書かれた章があり自分と重なって涙があふれました。わたしもちゃんとばななさんのように、死ぬ時には天国に旅立った最愛のわんこが迎えにきてくれるって思えるようになってきて、わんこに生まれ変わったらまたママのところに来てねってお願いしておいたから来てくれたら嬉しいな。ばななさんの言葉に助けてもらいました。2015/02/11