出版社内容情報
計画経済期(1949-78年)の工業化の実態を解明し、1978年改革開放政策をへて急速に経済大国へと成長するメカニズムに迫る。
目次
中国社会主義体制へのアプローチ
第1部 上海経済と社会主義体制の形成(上海経済の基本構造;人民共和国の成立と上海企業;朝鮮戦争と社会主義体制の形成)
第2部 社会主義財政システムと上海(税財政制度の変革と上海市;上海市財政と企業;地方財政構造の地域間比較―上海モデルの位置)
第3部 上海の産業発展と社会主義体制(社会主義体制下の産業発展―紡織工業と機械工業;産業組織の再編―ゴム加工業;物資分配と需給関係―セメント産業;地域内統合と広域的分配―電力産業)
中国社会主義体制の歴史的意義
著者等紹介
加島潤[カジマジュン]
1976年神奈川県横浜市生まれ。1999年埼玉大学教養学部卒業。2002年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。2010年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点特任助教をへて、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
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博論が元。中国の計画経済(生産手段の公有と、計画にもとづく資源分配)が実施された1950-70年代の上海に焦点当て、その経済体制の形成と構造、中国経済へのインパクト並びに歴史的文脈への位置づけを試みている。改革開放期に連なる地方政府と企業の関係についての上海の歴史的意義は、①経済主体としての地方政府の出現、②地方政府を中心とする地域内統合と地域間分断、③「中央の原則的コントロールと地方の自律的対応」の構造形成。◆著者自身が各地方の財政統計データベースを作成。「地方誌」の活用等、かなり苦労したと思われる。2018/05/24