出版社内容情報
欧米主導の国際秩序に対する最大の挑戦者ソ連。解体後の再編成を経て向かう先を、歴史的・思想的文脈から分析する。
近代西欧の国家体制とは異なる編成原理をもつ複数の大帝国をかつて抱え,その後欧米主導の国際秩序に対する最大の挑戦者ソ連が生まれ,解体していった地域.その正負の遺産を負うこの地域の国家群が,今後の世界全体のなかでどのような位置を占めていくのか.歴史的厚みと思想的文脈をもって分析する.
総論 国家と国際関係(塩川伸明)
I 冷戦後の世界
1 ソ連邦の解体過程とその後(塩川伸明)
2 グローバル・ユーラシア(岩下明裕)
3 ユーラシアの中のロシア=EU経済関係(上垣 彰)
II 変容する〈地域〉
4 国と国際が溶解する空間としてのバルト地域(小森宏美)
5 中央アジアにおける国際関係の誕生(湯浅 剛)
6 構成共和国間分業から国際分業へ(野部公一)
7 環黒海地域における跨境政治(松里公孝)
III 歴史の視座から
8 20世紀初頭の極東国際関係(橘 誠)
9 誰が冷戦の勝者なのか(デイヴィッド・ウルフ)
10 中央ヨーロッパを思い出す(篠原 琢)
【著者紹介】
塩川伸明:東京大学大学院法学政治学研究科教授
内容説明
西欧とは異なる編成原理をもつ国々が興亡を経てきた地。その最大の挑戦者たるソ連が解体して20年、正負の遺産を負い、複雑に絡みあい、地域と世界は対話を始める。
目次
総論 国家と国際関係
1 冷戦後の世界(ソ連邦の解体過程とその後―連邦内擬似国際関係から新しい国際関係へ;グローバル・ユーラシア―新しい地政学の創造;ユーラシアの中のロシア=EU経済関係)
2 変容する“地域”(国と国際が溶解する空間としてのバルト地域―ヨーロッパ、バルト三国、ロシア;中央アジアにおける国際関係の誕生―カザフスタンの動向を事例に;構成共和国間分業から国際分業へ―現代ユーラシア諸国の経済問題ウズベキスタンの事例;環黒海地域における跨境政治―非承認国家の宗教と跨境マイノリティ)
3 歴史の視座から(二〇世紀初頭の極東国際関係―モンゴルの国家形成過程から;誰が冷戦の勝者なのか―中ソ対立と「インターキト」;中央ヨーロッパを思い出す―辺境からの離脱)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授
小松久男[コマツヒサオ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院特任教授
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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