出版社内容情報
2016年12月に刊行された『四季のうた 文字のかなたの声』の続編。読売新聞に連載中のコラム「四季」の2015年4月から16年3月までの1年分を収録。日々の暮らしの思いや記憶が結晶した美しい日本語を味わおう。
内容説明
詩歌の言葉を探すとき、心は想像力という翼に抱かれて時空に遊んでいる。どの言語であれ、人類は太古の昔からこのようにして詩歌を紡いできた。正岡子規が近代俳句の方法として提唱した「写生」からは脱落した、詩歌創造の現実を忘れてはならない―。読売新聞に連載されたコラム「四季」の二〇一五年四月から一年分を収録。
目次
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月
一月
二月
三月
著者等紹介
長谷川櫂[ハセガワカイ]
1954年(昭和29年)生まれ。俳人。朝日俳壇選者、俳句結社「古志」前主宰、「ネット投句」選者、インターネット歳時記「きごさい」代表。著書に、句集『虚空』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
不識庵
10
名のある歌人俳人から市井の人まで、広く選集された作品である。勅撰集のころよりつづく試みである。作品に添えられた編者の評も、詠む人の心のうちに思いを馳せている。さらに作品を味わい深くしている。「報われぬ努力があると知った夏」詠み人は高校生。敬意を表する。私がそのことを知ったのはもっと後だから。「置き去られし記憶のやうな しんとしてハマナス咲く真昼間なりき」そうか、子供のころの古いフィルムのカラー写真は、ややセピアだな。2018/01/01
てくてく
4
読売新聞に連載した詩歌コラム「四季」にもとづく『四季のうた』シリーズ第10集。著名人から子どもまで幅広い俳句や短歌などを紹介している。「どちらまでお出かけですかすずめさん わしもわからんかもめ人生(いち木の子)」「この駅よりさらに支線に乗り換へて田舎へ還る英霊かなしも(川田順)」「もの言はぬ妻恐ろしや胡瓜もみ(趙栄順)」2018/01/19
とむ
0
想像力は人にのみ備わった能力。その想像力を使って言葉を紡げば、宇宙を舞う翼が手に入るだろう。2022/05/31