中公文庫
持統天皇と藤原不比等

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  • サイズ 文庫判/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122063860
  • NDC分類 210.34
  • Cコード C1121

内容説明

草壁皇太子の病死後、〓(う)野讃良皇后(持統天皇)は、孫である軽皇子(文武天皇)による皇位継承の協力者として藤原不比等を選んだ。不比等と盟約を結んだ背景にはどのような人脈があったのか。日本古代史を規定した盟約の内容を探り、その後の協力体制の展開を追う。

目次

第1章 吉野宮の誓約と大津皇子の謀叛
第2章 持統天皇と藤原不比等の盟約
第3章 「藤原宮」の宮号の由来
第4章 「藤原宮」讃歌
第5章 「飛鳥」と「藤原」
第6章 河内安宿につながる女性人脈―「橘」をめぐって
第7章 藤原不比等と河内安宿

著者等紹介

土橋寛[ツチハシユタカ]
1909年、長崎県に生まれる。1932年、京都大学文学部卒業。同志社大学教授、のち同大学名誉教授。文学博士。日本古代文学専攻。1978年、『万葉開眼』により毎日出版文化賞を受賞。1998年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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しゅてふぁん

52
著者が国文学者なだけあって万葉集の和歌から様々な考察がなされていた。なんと持統天皇の藤原京は至る所で地下水が地表に湧出して放置しておくと沼地になってしまう土地だったらしい。そんなところに宮を建てたのか…不比等は藤原京に居を移したらしいけど、天武天皇の皇子たちは藤原京内に宮がなかったのも納得。そこからも持統天皇と不比等の皇位継承に関する盟約を結んでいたという強固な関係性が見えてくるなぁ。巻末の木本氏の解説で本書の内容が完結にまとめられていたので、興味はあるけど時間がない方には解説を読むことをおすすめします。2020/09/17

レアル

39
持統天皇は自分の血の繋がった者を後継者にしたかった。一方不比等はパパの鎌足が壬申の乱で大友皇子についたばかりに藤原氏の行く末が危うい。こんな2人が手を結んだ。どうなったか?草壁皇子→文武天皇→聖武天皇と持統天皇の願いはほぼ叶った。一方藤原氏は平安時代に栄華を極める。そして持統天皇の都の名は「藤原京」とこれまた藤原の名前がついてる!と藤原氏は関係あるのだろうかというお話。藤原氏や不比等好きにはたまらないかも?2023/08/14

宇宙猫

18
挫折。古い本なので、今となっては新鮮味がない。文章も読みにくい。こういうのは新しいうちに読まないとダメだね。2021/07/29

take5

13
(元は新書で94年刊)6月に読んだ『天風の彩王 藤原不比等』(かなり面白かったです)の参考文献の1つで面白そうなので読みました(『天風の.』の大部分はこの本の説から)。著者は記紀などの歌謡が専門の国文学者で、その観点がベースながらも各種史料を基に古代史家の如く論を展開していきます。特に、「飛鳥」という表記の起源、「藤原宮」という「宮号」の由来、持統・不比等・県犬養三千代の繋がりが生まれた背景などが面白かったです(やや繰り返しが多くちょっとくどいですが、年なので逆に記憶が確かなものになったかも^^:)2020/08/08

うえ

7
「飛鳥京と藤原京に共通するものは、「藤原宮」の宮号と不比等の氏号「藤原」とのほかにもう一つ、「鷺栖神社」がある。飛鳥の鳥形山や鷺栖ノ池に数多く棲息していた鷺を、この地を本質とする中臣氏が氏神として祭ったものが飛鳥の鷺栖神社であることを、天武朝以後アスカを「飛鳥」と表記するようになったのも、それに基づくもの…持統天皇が即位四年の十二月に遷った藤原京の朱雀大路が通過する日高山の上にも、鷺栖神社が祭られていたのである。この日高山の鷺栖神社は従来、古代史研究者の視野の中に入っていない」2019/09/08

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