中公文庫
無意識の幻想

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  • サイズ 文庫判/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122063709
  • NDC分類 934
  • Cコード C1198

内容説明

森羅万象の土台を成しているのは生である、とロレンスは信じていた。とくにアメリカでは、観念が生の土台となってしまい、教育や育児のみならず、親子、男女、夫婦などあらゆる人間関係に大きな歪みが生じている。フロイトの無意識理解を拒み、常識に大胆に挑むロレンス。現代社会の悪弊を衝き、人の生き生きとした生を激しく希求した超問題作。

目次

序文
聖家族
神経節、横隔膜の上下のレベル等
樹木・幼児・パパ・ママ
五感
知性の最初の微光
教育の最初の諸段階
教育・男女の性・子供の性
性の誕生
親の愛
悪循環
連祷風に―強く勧めたいこと
宇宙論
眠りと夢
下半身

著者等紹介

ロレンス,D.H.[ロレンス,D.H.] [Lawrence,D.H.]
1885年、イギリス、ノッティンガムシャーに生まれる。20世紀イギリスを代表する作家

照屋佳男[テルヤヨシオ]
1936年(昭和11年)、沖縄県中頭郡北谷村(現北谷町)生まれ。早稲田大学名誉教授。普天間高等学校卒業。1962年、早稲田大学第一文学部英文科卒業。67年、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。75年、早稲田大学助教授、80年、同教授。専攻、英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やいっち

18
読んだとは到底言えない。ロレンスの世界にまるで入っていけないのだ。彼の小説は好きで、若いころ、(ほとんど)助兵衛心というか、好奇心で伊藤 整訳の『チャタレー夫人の恋人』を読んだ。何年かして、完訳版で再読し、その前後には、『息子と恋人(息子たちと恋人たち)』も読んだ。高名な作家でも、小説も評論も面白いとは限らない。代表的なのは、ドストエフスキーで、彼の小説は全作品を最低でも3回は読んだが、彼の作家の日記だけは読み浸れなかった。主義主張を始めると、途端に詰まらなくなるのはどうしたものだろう。2018/01/02

袖崎いたる

11
まえがきを読むとわかるのだが、前著がめっちゃくちゃ叩かれてる。本書はその叩かれまくった前著の続編みたいな感じなのかな。内容は「無意識とは何か」についての論考なのだけれど、その方法が面白い。というのも彼が準拠しているものというのが、無意識が主語となって創作されるような小説や詩などの作品なのであり(とはいえ作品分析をしているのではない)、それらを読んできた著者がそれらから演繹されうる無意識を彫琢していくというスタンス。これを学生時代などに読んだら良くも悪くも危なかったと思われる。まえがきなどは特に劇薬注意。2017/05/27

無能なガラス屋

3
「自分は自分であるということ、これが森羅万象を解き明かす手掛かりだ。万物は自分と一体である。さしあたりこれが唯一のアイデンティティーである。」2024/04/01

k_ta

0
読み始めた本はとりあえず最後まで読むことにしてるから最後まで読んだが、ほぼ理解できなかった。まだまだ知見が足りないらしい。2017/10/08

さえもん

0
宇宙論など、所々は納得できないところもあるが、著者は人間の本質・真実を芸術的感覚で掴み取っていると感じた。実感・実体験の伴わない言葉、所謂観念ばかりで物事を考えていては、人間は、単なる物質の相互的な自動作用に陥ってしまう。でも、人間には魂・心、さらにこれらを乗り越えた統一的な何かが備わっている。それに気付けるかどうかなんだと思う。特に、「私の不可視の自我と可視的な自我との間の、決定的に重要な接触面」という言葉は、自己を的確に捉えているものだと思う。西田幾多郎や鈴木大拙らと似たような考え方だとも思った。2020/10/25

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