内容説明
大戦後の不況に苦しむ惑星リェータでは自由市民同盟が「クローン排除、地球連邦の強圧的な支配からの自由」を掲げ急速に勢力を拡大していた。自治政府が有効な手を打てない中、ついにデモ隊が“平和と流血の境界”を踏み越え警官隊と衝突。惑星全土をテロリズムが席捲する!SF巨篇、いよいよ佳境!!
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ。戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぺぱごじら
16
少しづつ、少しづつ地球連邦は蝕まれていく。大きな岩が弛い地盤を圧し潰して真下の家屋に襲いかかるように、連邦は瓦解の道を進む。周りに人がいても手を出せない状況の中、「戦闘の中に自分の在り方を見つける男」南郷少佐はどこまでの未来を見通しているのか。或いは彼は「戦うために戦う」戦争屋なのか。じれったい「政治」を描くと佐藤大輔は本当に上手い。僅か300p足らずがじりじり感じられる。…で、次、本当に出るの(笑)?2017-232017/01/31
鐵太郎
8
文庫版になってどこが書き直されているのかな。確認していないけれど、前よりこの時代のどうにもならない流れがわかりやすくなっているような気がする。それにしても、このくどくどしい大輔節にファンが意外に多いのが不思議。(爆) さて、いよいよ次巻ではまたあちこちで泣かされるんだろうか。それもまたよし、なのだけどね。2017/02/25
こぼこぼ
4
帯に注目。外伝「宇宙軍陸戦隊(仮)」今春刊行予定とは……。期待しないで待ってます。2017/01/22
hexia
3
植民星リエータの経済と市民感情の悪化は留まるところを知らず、南郷は命令違反一歩手前を承知で、クローン市民の惑星退去を指揮することを決意する。起承転結の転▼恒産なくして恒心あり、という。「景気の悪化が弱い人間の本音を暴き出した」といえばそれまでだが、各勢力の思惑や連邦法の兼ね合いなどを通じ、社会崩壊の原因と経過をありありと描き出す佐藤節は圧巻と言わざるをえない▼作者の訃報をうかがったのは本年3月である。私という人間の、思想の土台にはこの作者の作品が厳然と刻まれている。ここに深く哀悼の意を表す2017/04/26
アトリアーナ
2
いよいよ佳境に入ってきたかね.そうなってくると,佐藤サンのしちめんどくささ,そりゃもう冴え渡らざるを得ないわの.キャストの方々も,あいかわらずどいつもこいつも,必要を遙かに超えてムダにめんどくさくて,超よくてよ.これがフツーの仮想戦記モノだったら,こっちが到底もたなかっただろうから,佐藤サンのこのしつこくもどろくさい作風を楽しめるのって,「皇国」とこのシリーズのおかげさね.2017/02/15