内容説明
県民の四人に一人が命を落とした沖縄戦。アメリカ軍の「鉄の暴風」に曝されながら、間に合わせの待避所に踏みとどまり、的確な気象情報を送り続けた男たちがいた。考案者自ら「邪道の用兵」と呼んだ航空特攻作戦をアシストしなければならなかった沖縄地方気象台職員たちの知られざる物語。
目次
戦雲漂う沖縄地方気象台
南西諸島空・気象班
蚊坂の10・10空襲
逃げた台長、留まる技師
来る人、往く人
沖縄戦、火蓋を切る
特攻機に的確な気象報を
“邪道の用兵”を支えて
最初の犠牲者
梅雨戦線
活かし切れなかった気象報
多情多恨・南部落ち
笠原貞芳技師の最期
身を潜める壕もなく
琉球の風哀し
著者等紹介
田村洋三[タムラヨウゾウ]
1931(昭和6)年、大阪府吹田市生まれ。同志社大学文学部卒業。読売新聞大阪本社社会部次長、写真部長、社会部長、編集局次長、編集委員を歴任。93(平成5)年、定年退職。現在、ノンフィクション作家。編著書に『新聞記者が語りつぐ戦争』(二〇巻を読売新聞社、九巻を新風書房から刊行。85年、第三三回菊池寛賞受賞)、『ざわわざわわの沖縄戦―サトウキビ畑の慟哭』(2006年度平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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