内容説明
私たちはなぜ、書を美しいと感じるのか。東アジアの文化の根柢をなす書は、どのような表現構造をもつのか。具体的に数々の名品を鑑賞し、ときには指でなぞり「書く」行為の追体験をすすめるなど、さまざまな角度から「書」の魅力にせまる十二の講義。
目次
書の表現の根柢をなすもの―筆蝕について1
反転しあう陰陽の美学―筆蝕について2
垂線の美学―書と宗教
整斉、参差、斉参―旋律の誕生
書のなかの物語―旋律の展開
折法の変遷と解体―リズムについて
表現行為としての書―書と織物
書のダイナミックス―筆勢について
結字と結構―書と建築
ムーブメントとモーション―書と舞踊
甲骨文、金文、雑体書―書とデザイン
余白について―書と環境
著者等紹介
石川九楊[イシカワキュウヨウ]
1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。書家。京都精華大学教授・文字文明研究所所長。90年『書の終焉―近代書史論』(同朋舎出版)によりサントリー学芸賞を、2002年『日本書史』(名古屋大学出版会)により毎日出版文化賞を、09年『近代書史』(名古屋大学出版会)により大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
49
何が羨ましいかって冠婚葬祭の受付で筆ペンでさらさらと住所と名前を書く人。その敗北感も半端ない。で根本的に学んでみようかなぁって。でもねこの本は個人のお悩み相談レベルでなく遥か高みの芸術というか書の道その宇宙みたいな12の講義で有りました。筆蝕の意味から始まり起筆、送筆、収筆という基本から一点一画の深さ、速さ、角度の三要素、身体性と書きぶりをかの欧陽詢や顔真卿、王羲之の書から学ぶ。骨や石に刻む篆刻や隷書の歴史や、草書から行書を経て楷書が生まれた事とか丁寧に説明してくれてガッテンガッテンの面白さで有りました。2016/05/11
Takamitsu Tsubo
1
王義之という名を知っている程度のド素人の僕には、難解な内容でした。 教養を増やそうと思って読みましたが、本書は、書に本格的に取り組んでいないとかなり厳しい。 それでも、名筆の解説は楽しめた。 2017/07/08
中津ゆか
0
これは結構専門的な本だった。わかりやすいようで、結構難しい話してたからw すごい勉強になった2022/02/03