中公文庫
蜃気楼の中へ (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122060876
  • NDC分類 302.53
  • Cコード C1110

内容説明

この若き日のカリフォルニァ体験記は、異文化摩擦を書き連ねて仕上げた類の書ではなない。「逆上と惑乱」のアメリカ文明の中で著者がおこなった痛切な自己点検の作業であり、ゆえに大衆論や価値論、そして保守論へと繋がっていく思想の淵源を見せるのである。新たに家族の回想記を付す。

目次

モロッコの浜辺
ジャンキーたち
隣人たち
オッド・カップル
わがはらから
U・C・バークレイ
夢のあと
小景六題
流れつく人びと
イギリスへ〔ほか〕

著者等紹介

西部邁[ニシベススム]
1939年3月、北海道生まれ。64年、東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授などを経て、現在、雑誌『表現者』顧問。著書に『経済倫理学序説』(吉野作造賞)『生まじめな戯れ』(サントリー学芸賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

37
70年代後半に著者が体験した初めての海外滞在記です。他と異なるのは子供を含め家族がいることです。今読むと、海外において際立つこの昔の家族が日本的だと印象深かったのですが、日系人に対するところで、息子にだらしなく思われないように心得を伝えるくだりを読み、役割を演じていることを理解しました。語学教師のケニア人の話もいかにもありそうなトラブルで、心に影を落としそうなことを楽しんでいる様に書かれていますが、後の方で無理をして振舞っていたことが仄めかされます。娘さんが書いた解説と合わせて家族の体験記になっています。2021/08/10

さきん

30
色んなルーツを持った人が雑多に夢見て移住してくるアメリカ。北海道生まれで安保闘争にハマるも一転経済学の先生になり、さらにそのアメリカ的な合理主義にまみれた経済学からも距離を置きはじめ、思想の世界に入っていく過程で妻子連れての40代でのアメリカ留学という流れで所々にシニカルな記述やトラブルに陥っても、至極冷静に客観的に観察するように描いている。その中で、敗戦時に北海道に進駐した米軍の思い出もつづられている。2022/09/29

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