内容説明
新選組でも一、二を争う剣客・斎藤一。激動の幕末維新を経て大正時代まで命をながらえながら、遺された史料はほとんどない。度重なる改名の理由、なぜ会津藩士として生きたのか…「自らの過去を封じた」ともいえる謎に満ちたその生涯を、新選組の組織や掟という視点から読み解く斬新な書き下ろし評伝。
目次
第１章 江戸の日々―山口一
第２章 壬生浪士組―斎藤一
第３章 新選組―斎藤一
第４章 御陵衛士―斎藤一
第５章 関東戦線―斎藤一
第６章 会津新選組―山口二郎
第７章 明治以降―藤田五郎
著者等紹介
相川司［アイカワツカサ］
１９５１年、東京生まれ。７３年、早稲田大学政治経済学部卒業。歴史、ミステリ評論家。日本推理作家協会会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッチー
10
剣客と知られる斎藤一。京都では御陵衛士に就いたり、会津新選組では、山口二郎と改名し、隊長に。その後は藤田五郎と改名し、警視庁勤務となる話は有名であったが、細部までは知らないことが多かった。彼に「いなみ」がない事実、何故か近藤勇に気に入られていた？こと。非常五カ条の存在、等の推測域、晩年の過ごし方など良かった。2016/01/13
えみ
6
ただ、歴史を語っているだけでなく相川さんの調査結果や解釈が誰にでもわかりやすいように書かれていて本当に読みやすかったです。 特に、御陵衛士の「斎藤一、間者説」「斎藤一、間者ではない説」は以前から論じられてきたものだったので興味深く読みました。 それに斎藤一だけでなく、新選組の行動も詳しく説明されているので斎藤一を知らない人も新選組を詳しく知らない人も楽しめるんじゃないかと思います。2014/11/03
ちびごん
5
大正時代まで生き抜いた斎藤一の生涯を謎といていく。数少ない資料を集めて、新たな発見や見解が魅力的。今度は斎藤さんの小説を読んでみたくなった。2015/05/08
ゆぅ
3
斎藤さんの足跡を辿る為に必要な新選組そのものや土方さん、周りの隊士、関わりある藩や官軍の動きまで、解説が丁寧でわかりやすいです。この類の本にありがちな小難しい文書や構成ではないのが嬉しい。読む人の事を考えて書かれたと感じます。史料の意訳や現代訳も読みやすいです。参考文献のまとめも見やすく親切。推測ではあるが～と、明らかになっていない斎藤さんの歴史の点と点を埋めていく相川さんの考えもとても面白いです。2018/04/02
幕末のメモメモちゃん
2
幕末関連書物を楽しむ上で必要な知識、武士の制度や当時の情勢についても序盤（20ｐ前後から）で分かりやすく解説があり、他の新撰組隊士、山南・永倉の身分等に関しても軽く触れてくれている。所説ある物にはすべて誰がどこで発言したモノかソースを明記されており、かつ多角的に検証している。この時代関連に初めて興味を持った人でも読めるように頻出ワードの解説も順次してくれていて非常に親切。2016/12/22
