中公文庫
ランプコントロール

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  • サイズ 文庫判/ページ数 395p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122058187
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

あの日、たしかに二人は別れたはずだった。けれど僕らは同じ灯を見つける、何度でも――。恋愛小説の名手が東京とフランクフルトを舞台に綴る、時を超えた純愛と魂の救済の物語。

内容説明

大手出版社に勤める高林直人は、二十七歳のときドイツ出向を命じられる。それは学生時代からの恋人、山本理沙との別れを意味していた。フランクフルトで同僚と男三人の共同生活を始め、現地の女性ステファニーと恋に落ちる直人。ところが日本に帰国して後、三年以上も音信不通だった理沙の消息を知ることになる…。

著者等紹介

大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、『聖の青春』でデビューし、新潮学芸賞を受賞。翌年『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を、02年には『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

138
「別れとは、意味不明になること」て、そういう時代もありましたが、SNSが発達した現代では、そうも言ってられません…。フランクフルト空港の冒頭は、春樹さま作品か?もしくは私の青春か?て感じで私自身の20代を思いながら読了。当時のドイツ人の恋人、20代後半に訪れた真冬のドイツなどなど。話を物語に戻すと、いいんじゃない、この主人公?若いのにちゃんとその場その場で決断しててエラい。元恋人のステちゃんだけど、彼女だったら大丈夫。すぐに次の恋人できるから(経験者は語る)。久しぶりの大崎節、堪能いたしました。2015/12/22

びす男

63
二人の女性が出てくることで、より愛情の純粋さが際立っている。はっきりしない男に対して、強い女性と沈黙する女性が、いずれも美しい。二つあるからといって、必ずしもどちらかが本物でどちらかが贋物であるわけではない。どちらにも真実が宿る場合だってあるのだ。2016/10/09

巨峰

60
深くて静かな愛の物語。そもそも、迷いなく入籍しておけば、こんなことにならなかったような気もするが、最後のところがそれで良かったとも思いました。フランクフルトの話が良かったです2021/01/11

じいじ

10
何とも切ない恋愛小説である。わたしは強面の風貌の大崎善生氏が描く恋愛小説が好きである。本作は誰でも経験をしたことがある「別れの痛み」を描いた作品。内容的には男視点(エゴ)にたって描かれているので、女性の方からは共感されないかもしれない作品に思う。文体的にも読みやすい作家である。 おすすめ度:★★★(満点)2013/08/12

mataasita

8
途中ノルウェイの森を読んでいるような気が。主人公は直人。理沙を選びステファニーとの別れを決意してからもしっかりセックス。一度だけのセックスに苦悩した直子とは違う。直人は「僕」と同じで誠実でスマートで缶ビールとしゃれたつまみが好きでセックスもうまく、そして誰にも優しいのだ。ステファニーと別れた場面で終わればノルウェイの森だが、直人は自分という存在の意味を見失わない。終わりは予想外のハッピーエンド。終盤のブレーメンの音楽隊のくだりがよかった。私たちは過去にすがらずに、新しい音楽隊を結成し続けていけばよいのだ。2021/10/26

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