中公文庫<br> 白き手の哀しみ―渡辺淳一メディカル・セレクション〈1〉

中公文庫
白き手の哀しみ―渡辺淳一メディカル・セレクション〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122056947
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

看護学校を卒業したばかりの「わたし」が、癌の末期患者から命じられたあることとは…。人間の本能を切ないまでに激しく描く表題作ほか、生と死を扱う医療を通して、人間の本質に鋭く迫る初期傑作短篇集。“渡辺淳一メディカル・セレクション”第一巻。巻末に著者特別インタビューを付す。

著者等紹介

渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科講師をつとめるかたわら小説を執筆。作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。70年『光と影』で直木賞受賞。80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞、2003年に菊池寛賞受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こういち

10
人間の生と死、そして愛。単刀直入に切り込んでくる筆致は、研ぎ澄まされた鋭さを持ちながらも、暖かな温もりに包まれた森の中に居るように心地よい。一つには、絶対的な答えを強制しない物事の対比の巧さと、常に読み手に考えさせるテーマの明確性にある。本書『胎児殺し』と『点滴』は、決して原理原則で医療行為を行うことだけが〝正義〟ではないことを問う。巻末の著者のインタビューは必読。多感な青春時代に得る知識と経験をその後の人生にどう活かすか、まさに自分次第であることを知る。2014/05/09

まめねこ

6
どの作品も鳥肌が立ったり、思わず納得したり、面白かった。「優しみの罠」は、ある人が怖すぎで、「背中の貌」は、女の執念は激しすぎで、「球菌を追え」は、色々あるけどほっこりした。「夜の声」は、迷惑な患者は最悪だと思い、「胎児殺し」は怖すぎた反面、望まぬ妊娠は考え物と思い、「点滴」は、生活保護の闇が見え、「白き手の哀しみ」は、死ぬ瞬間は本来の自分に戻れるのか・・・と納得してしまった。2016/12/12

タマン

0
医療は必ずしも科学的な根拠に基づく結果ばかりではないと言うことですね2013/09/01

ニャンコろ

0
女の情念と男の純情。この本はこの一言に尽きる。と感じた。 そして渡辺氏は、プロ作家として「したたかで、しなやか」であり、『文壇のKING』と呼ばれるのうなずける。しかし、前々から思うのだけれど一途で、純粋な方だと思う。ゆえに魅力溢れる女性達が彼に惹かれたのだろう。 今の年齢になって、さらに納得ができる。2014/08/23

ちか

0
少し古い医療物短編集。自分にとって初渡辺淳一。『胎児殺し』、『点滴』など古い医療現場の日本的生々しさがあるように思う。あまり好きではない。2013/01/24

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