内容説明
戦後のにおいが色濃く残る時代から平成に至るまでの三十数年間、抽象論に陥ることなく、徹頭徹尾、作家と作品のみをエネルギッシュに論じ続けた評論集。内外の古典、同時代の作品、そして自作について縦横無尽に語り、文学の魅力と問題点を伝える。
目次
アンダスン「冒険」についてのノート
長谷川四郎氏の『遠近法』をめぐって
自戒の弁
きだみのる氏の文章生理学
なにもわからぬ
悪態八百の詩人
“洞窟”にたたずむ人
眼を洗う海の風
熱烈な外道美学
完全燃焼の文体〔ほか〕
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930年(昭和5年)、大阪市天王寺に生まれる。大阪市立大学在学中よりさまざまな職業を経験、卒業後は寿屋(現、サントリー)の雑誌『洋酒天国』を編集した。57年、「パニック」「巨人と玩具」「裸の王様」を発表、翌年、第三十八回芥川賞受賞。人間の原点と社会の組織に目を向け、現代社会と取り組むエネルギッシュな作家的姿勢を一貫して保つ。1989年(平成元年)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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