出版社内容情報
他人はエライが自分もエライ。人生はまだまだ長い、七十歳はもういっぺん、人生のネジを巻くべきとき――心優しい「オトナのチエ」に満ちた本当の大人が書いた大人のためのエッセイ集。
内容説明
他人もエライが自分もエライ。人生はその日その日の出来心―そんな「オトナのチエ」をかみしめながら、友とかたむけるお酒のおいしさはまた格別。七十を過ぎていよいよ朗らかな「人生の達人」が、年を重ねる愉しさ、味わい深さを綴る温かなエッセイ集。
目次
オトナ
私ってヘン?
白寿の春
眉化粧
まいりました
春のご開帳
オトナの観るもの、ゆく店
つづくりもの
フランス俳句
いちごの風合〔ほか〕
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
昭和3年(1928)、大阪に生まれる。樟蔭女専国文科卒。昭和38年、『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニー)』で第五十回芥川賞を受賞、63年、『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』で女流文学賞を、平成5年、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。また、平成6年、菊池寛賞を、7年、紫綬褒章を受ける。平成10年『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受賞。平成20年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
94
ご高齢なためなのか、このような年を重ねる愉しみを語られるようになったのでしょうね。朗らかに人生を楽しんでいる、人生の達人であるおせいさん。ただ、旦那様を亡くされ、その後に100歳になるお母様を亡くされるという、表に出さない大変なご苦労をなさったのだと思わずにはいられません。やわらかい大阪弁が悲しみを感じさせないだけなのでしょう。年頃になると、神様に色々と終止符を与えるものですが、おせいさんはそこを反するように生きているのかもしれません。これからを残る愉しみをどう味わうのか興味があります。2016/10/24
優希
54
愉しく歳を重ねられているのが伺えます。朗らかに生きる「人生の達人」と言ってもいいでしょう。将来自分もおせいさんのように高齢になっても愉しい人生を過ごせれば良いなと思いました。2021/01/25
けいちか
2
田辺さんの軽快な語りのエッセー。丁度100歳になられたお母様をお見送りしたところで終了。ご自身もご高齢なのにも関わらず、最初はご主人を、その後お母様を看取られて、表には出さなかったけれども、大変なご苦労をされているのだろうなと思わされた。ただ、それをやわらかい大阪弁でオブラートに包んで書いているので、表面上はわからないかなとも思った。2011/05/07
えいこ
1
ご高齢のお母様の話はとても楽しい。田辺センセの尊敬や愛情が自然に表れるからでしょうね。大阪弁のやさしみはいつも健在。「あんじょう頼むわ」「あほらしやの鐘がなる」「一に愛嬌、二に理屈…」つい笑ってしまう、つい許してしまう可愛げに触れたくて、また田辺センセの本を読んでしまう。2020/07/12
おおやなぎまさひこ
1
近年、お歳のせいか、すっかり新作(小説のね)を発表されなくなったので、エッセイが出るだけでも嬉しくなってしまう。けど、もう田辺さんならではの小説は書かれないのかな? 非常に読みたいのだけど。2009/09/24