出版社内容情報
押し込みは成功したが、盗賊達は稼ぎを巡って殺し合う。頭目・仁兵衛への復讐を誓う雛次郎。そんな中、衝撃の事実を知らされた甚八は。〈解説〉縄田一男
内容説明
我が子を殺され、甚八を獄門台に送るべく執拗に食い下がる岡っ引き・蝮の忠蔵。その頃、仁兵衛の罠から辛くも逃れた子分・雛次郎は、復讐の牙を研ぎつつ大和屋の一万両の奪還を図る。仁兵衛は甚八を牢抜けさせ、雛次郎を始末させようとするが、その時、甚八は衝撃の事実を知らされた…。獣と獣の喰らい合いの末に待つものは―。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』(学研歴史群像新書)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タカシ
5
下巻は仁兵衛、雛次郎、陣八の戦い、面白かったですね。雛次郎の壮絶な過去は凄かったです。展開が良く最後に全員集合の戦いとなったのは上手かったですね。2018/08/06
わたしは元気
3
気持ち悪いと思いながら、最後まで読みました。冨樫倫太郎の爽やかなお話とのギャップが凄い。2019/01/24
おぎにゃん
3
憎しみと欲の絡み合った戦いの果てに生き残った者たちに、決して安寧は訪れない。「因果応報」という言葉が、薄っぺらに聞こえるほどの、繰り返し語られる「むしろあの時死んだ(殺した)方が幸せだったのではないか」と言うセリフに頷きたくなるほどの、壮絶な「生き様」…だが、読後に嫌悪感は感じない。感じるのは、虚しさと哀しさ、そして、限りない余韻…。名作です。2014/01/05
銀丸083
0
読み終わった。読む前に抱いたイメージとは全然違う作品だった。江戸の裏社会の、凄絶な話。最後には、関係者全員死に絶えるのではないかと思った。そのわりに、後味は悪くなかった。2015/08/08
きょうちゃん
0
まさに蟻地獄。2015/02/08