内容説明
愛犬との生活で過ちをおかさないために―長年にわたる緻密な観察と真摯な情熱で、人類の最高のパートナーの知られざる本質を探り、自然の理にかなった、真に健やかな共存の形を提案する。犬を真面目に考え、正しく理解したい人必読の名著。
目次
第1章 子犬から成犬へ
第2章 狩猟者としての犬
第3章 攻撃者としての犬
第4章 友としての犬
第5章 純血種としての犬
第6章 動物としての犬
著者等紹介
トルムラー,エーベルハルト[トルムラー,エーベルハルト][Trumler,Eberhard]
1923年ウィーン生まれ。ノーベル賞受賞者コンラート・ローレンツのもとで学んだのち、ウィルヘルミネンベルグ生物学研究所の設立やバイエルン州立動物学博物館の運営に参加する。その後、家畜繁殖研究所で野生犬ディンゴや純血犬の繁殖実験を行うようになり、75年にはズルツフェルトに繁殖所を設立。晩年はビルケン=ホニゲッセンの自身の研究所で暮らす。91年没
渡辺格[ワタナベタダシ]
1937年東京生まれ。東京大学教養学部フランス科を経て日本航空入社。パリ駐在二回、ブリュッセル駐在一回。94年退社。欧州滞在中に欧米流の犬のしつけ方に興味を抱き、帰国後その紹介に努力
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆぎ🖼️
7
犬のスケッチ画や頭蓋骨や歯の噛み合わせの図とかなかなかマニアック。犬の祖先である狼は7千年かけて虫食から肉食へ進化した哺乳類で大型草食動物の捕食者として山や河川の食物連鎖のバランスをとっていたが人類が牧畜を始め狼を天敵として童話に語り継いで滅ぼしてしまったこと。皮肉にも現代のバランスの崩れた自然環境に淘汰されていくであろう人間はどう種や文明社会を存続していくのか、ときどき著者の刺さる考察から考えさせられた。2020/05/11
紫暗
3
少々古い本なので遺伝学的な部分の記述は今の方がはっきりとわかっているところがあるかも。それを差し引いても著者が実際に犬と生活する中で得た知識は必見です。当然のことながら犬は人ではないので人扱いすることは間違っており、それでいて人の友人となり得る存在として常に理解していく努力が必要だと再認識した次第です。動物愛護などを叫びたい人は、その動物の本質を学ぶことを忘れてはいけない。もっともなことに大きくうなずいてしまいました。2016/02/29
wukann(かの〜)
3
「動物保護のためにはその性質を充分理解する必要があります。」純血種の犬(ディンゴ、ジャッカルなど)の飼育・観察を通して、犬に本能的に備わる性質・成長するに従い社会生活(親・兄弟犬や飼い主)から得る性質を調べ上げ、「犬を真面目に考える」を実践している。よく、犬は人間に序列をつける、と言われるが、それは①犬は飼い主の人間を自分と同族と認識し、②元々、犬社会は群れの中で序列がつく物である、という性質からきてるのかな。2012/11/10
在賀耕平
1
犬買おうかと思っているので、お勉強2011/02/02