感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
14
本巻の読みどころは「乙女」「玉鬘」か。これまで存在感の薄かった息子(夕霧)がいよいよメインプレイヤーの一人として物語を動かし始める。独自の教育方針により(人としてギリみなされる五位未満の)六位スタートだのお受験だの、極めつけに初恋の人・雲居の雁の引き離しだの、多感な時期に難題ばかり。失恋の傷を癒すのは新たな恋とばかりに惟光の娘に懸想しーの。第二部からは想像できないくらいウブな夕霧。そして、夕顔の忘れ形見・玉鬘の登場。娘として引き取るという建前ゆえの源氏の歪んだ欲情が際立つ。展開の捻り方が際立ってくる。2021/09/10
かふ
9
「朝顔」が結婚しない女のエピソードから「乙女」「玉鬘」では女の幸せは結婚することであるという物語だが、男親に取って娘を嫁がせる幸せというような話になっていく。そして光源氏は一人だけではなく四季折々の妻を得るわけだが中心は次世代の息子の話になっていく。一度目は悲劇として、二度目は喜劇としてというようなコメディ色が強くなっていく。面白いのは惟光の息子と夕霧の関係で、惟光の息子も夕霧同様要領が悪い。結果的に光源氏の息子の妻になれるかもと期待して惟光を喜ばすという。2024/04/15
みほ
3
ちょっと中弛み。夕霧って本当魅力薄だなぁ。2013/12/16
Noelle
2
六条院 四町の完成と共に、その極まりきった生の頂きにある源氏が 訪う女たち。栄華の春に そこでふと比べてしまったニ対の男女。年離れた夫の死後 年近い義理の息子の懸想から逃れるため尼となった空蝉。それと類似のかたちで思い起こされる、帝の年若い后と義理の息子。尼になるしかなかった必然が 唐突に今ここで源氏の胸に去来する。 いろいろの源氏本で、この相似に言及したのに初めて接した気がする。 これだから、橋本源氏は面白い。2013/09/20
NORI
1
読みやすい。その帖開始時の年齢付き人物相関図が記載されており、理解の助けになる。