内容説明
愛らしく、豪気に、躍動する戦国の女と男。司馬遼太郎の初期傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
89
面白かったです。戦国時代を背景に描いた男女の関係が艶っぽいながらも読みやすい短編集でした。簡単に女性が犯されるのに、サラリと読めてしまうのは、最後に幸せになるという強かさが描かれているからだと思います。衣摺れの音が聞こえる色気と気さくな雰囲気が混ざり合うのが司馬さんらしさを感じさせますね。2016/10/08
レアル
74
6つの戦国時代の短編集。この短編のどれも良い話&読みやすいので一気に読めちゃう。でもその分「どんな物語だったのか」一気に忘れちゃいそう。。(笑)女性が主人公の物語が多かったのだが、少し艶っぽいのもこの短編の特徴かな。。2015/03/11
カナン
61
司馬さんの本は何冊目でしょうか。男女の関係に狙いを定めて紡ぎ出された世界は想像より圧倒的な知性に満ち、堅苦しさを好まず奔放であり、あるがままの無垢すらも息衝いていました。それ故に読者が惑うほど、男女の間にあるはずの艶美な気配や匂い、仄暗い人間の深層心理の存在などはまるで全く最初から存在しなかったかのようで、するりさらりと乾いた衣擦れの音を鳴らしながら物語も展開し、また整頓されていきます。生々しさを省いたら、この人の描かれる男と女は、このような面差しと佇まいの人として頁の向こう側に立ってらっしゃるのですね。2016/06/11
たつや
45
司馬遼太郎は名前は知ってるけれど、敷居が高く感じ、読書初心者の自分はきちんと読めるか?いまだに不安ですが、そろそろ読み始めようと思ってます。司馬さんが大正12年生まれと知り、ずいぶん昔の人のように感じた。本作は短編集ですが、司馬さんいわく。「どれも気楽に書いた」そうですが、表題作の「一夜官女」なんて、これだけで映画に出来そうだなと思えるほど、内容が濃い。全体にエロティズムや男女の色恋も漂う本でした。自分には読みやすく、入門的な感じで読めました。今後、司馬作品を読む上で、拍車がかかればいいのですが。2016/10/07
優希
39
戦国時代を背景にした短編集になります。男女関係がほんの一夜の関係であってもいやらしくなく、サラリと読めました。衣ずれの色気と気さくな雰囲気に司馬さんらしさを感じました。2022/10/01