中公文庫<br> 大唐帝国―中国の中世

中公文庫
大唐帝国―中国の中世

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  • サイズ 文庫判/ページ数 444p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122015463
  • NDC分類 222.04

内容説明

古代と近世を結ぶ谷間といえる中世は、権力崇拝の時代であり、宗教の時代でもあった―。その暗黒の中世に、統一国家として、東アジア諸民族の政治と文化の根幹を築いた唐王朝。史上稀にみる中国中世700年に及ぶ大唐帝国の誕生から滅亡までを詳述する、中世史の労作。

目次

谷間の時代
天下三分
西晋の統一
民族大移動
江南の別天地
南風競わず
胡馬のいななき
新軍閥の勃興
大唐帝国
唐王朝の変質
中国中世の終幕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

8
好きな作家の小説を読む前の期待感とワクワク感、宮崎先生の著作は自分にとってのそんな一冊である。該博かつ深遠な知識に裏打ちされた記述には、一切のあいまいさや、一点のごまかしもなく、あくまで明瞭、明快である。どの著作もはずれがない、稀有な研究者である。本書はタイトルこそ『大唐帝国』となっているが、副題のとおり中国の中世-三国時代から五代まで-を描いている。単に王朝史を並べて書くだけでなく、できる限り当時の市民の生活ぶりにも着目している。この記述が歴史に躍動感を与え、息吹をもたらす。道教の起源にも触れている。2016/07/20

moonanddai

7
表紙の絵がいかにも長安ですので「唐」という国の成り立ちみたいなものかと思ったのですが、三国時代から唐を超えて五代までの中国中世の通史でした。それにしても扱われた700年あまりの間続いた、陰謀、反逆、虐殺の連続に驚いてしまいます。その暴力が成立するのが中世だとのこと。ただ、漢民族と他民族が主に中原で、単純に潮の満ち干のように出たり入ったりしていたわけではなく、複雑に絡み合っていたことも分かりました。そしてそこには経済の動向、貿易入超の不景気の時代から、唐文明への貿易黒字の時代の流れが微妙に絡むことも…。2018/10/23

みい⇔みさまる@この世の悪であれ

4
☆×4.0…ものすごく文章が濃くて読むのに苦労しました。というか、中国名とかはなかなか振り仮名が振られていても覚えることができず…ちょいと困りました。中国という国の過去はまさに凄惨に尽きます。天子といえども人ですからね。真面目な人もいれば遊蕩に身をやつす人もいる…読んでいる中では後者のほうが多かったですが…(汗)書名のテーマが出てくるのは実はかなり後のほうです。要注意。2013/02/19

エマ・石(ストーン)

3
人死に過ぎ笑 本書は西アジア、中央アジアとのつながりを重視して経済的観点からも解説してあるのが面白く、目を開かれる思いがする。これは同じ著者の『アジア史概説』なども同様である。学説に古さは勿論あろうが、紛れもない大学者が、厖大な教養に裏打ちされた達意の文でつづっており、非専門家の読者にとってこれほど楽しい書物はない。2022/07/23

2兵

3
タイトルからして、一見、唐についての記述が中心…と思わせておいて、その実、後漢末期から五代十国時代まで、中世の中国史全体について扱った本。なので副題の「中国の中世」の方が正解。やや大雑把だなと感じる部分もあるが、全体的によくまとまっているし、古い本なのに読みやすい。同時代のヨーロッパとの比較も分かりやすいし、当時の経済について論じるところも面白い。さすが名著と言われるだけはある。しかし、五胡十六国時代以降の中国史は、血で血を洗うような凄惨な展開が延々と続くので、本当にウンザリしてきますねー(苦笑)。2021/11/02

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