中公文庫<br> アジア史概説

中公文庫
アジア史概説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 562p
  • 商品コード 9784122014015
  • NDC分類 220

内容説明

東アジアの漢文明、西アジアのイスラム・ペルシア文明、インドのサンスクリット文明、そして日本文明等、異質文明が交通という紐帯によって結びつき、相互に競い、かつ補いあいながら発展してきたアジアの遠大な歴史を解き明かし、人類全体の真の歴史を発見する。

目次

第1章 アジア諸文化の成立とその推移
第2章 アジア諸民族の相互的交渉
第3章 アジア諸文化の交流とその展開
第4章 近世的ナショナリズムの潮流
第5章 近世文化の展開
第6章 最近世文化の東漸
第7章 アジア史上における日本
第8章 現代アジア史

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たかしくん。

35
中々の骨太な1冊です。本著の真髄は第3章以降にあると思います。アジア、いや、ユーラシア全体を、交通(すなわち物流、民族の移動)の観点から捉えてます。故にその要地である西南アジアこそが中世・近世への先駆けとなった主因であること、中でもイスラム教の出現が西南アジアのルネサンスで、それがヨーロッパ・東アジアの歴史に大きく影響を及ぼしていく著者の史観にも説得力があるます。もう一つ、ヨーロッパのアジア・アメリカへの帝国主義には、彼らの革命を通じた国民主義の勢いが不幸に発展した結果であること、この議論は新鮮でした。2015/08/16

kk

16
北京原人の頃から文革やベトナム戦争に至るまで、西はトルコから東は中国、北はモンゴルから南はインドに至るまで、ユーラシア大陸各文明の歩みを極めて巨視的に駆け抜ける怪作。ついでに我が国の歩みへの視点も紹介。知識の伝授よりも、地域毎に各時代の輪郭や目鼻立ち、相互の関係などをサラサラと語っていく感じ。取捨選択の妙と卓絶したバランス感覚に畏敬の念を覚えました。歴史の発展における異文化間交流の意義を力説するのは宮崎節。また、唐朝の中世的性格や唐宋変革の重みをやたらと強調しているところは京都学派の面目躍如。2022/03/27

umeko

13
勉強モードで読み始めたのですが、見事にひっくり返されました。時間においても地域においても広範囲の歴史を的確にまとめ、ところどころに挟まれる筆者の歴史観が興味深かったです。とりわけ第8章の最後、「経済の高度成長も、短期間で達成できたものは、また短期間で失い易いと覚悟しなければならない。」の辺りは、まさに今現在の日本の状況を予言したかのようす。歴史に学べとはよく言いますが、歴史を学べば逆に現在の状況を打破できる方法もおのずと見えてくるのでしょうね。勉強になりました。2012/08/01

isao_key

9
古代から近現代にかけてのアジア史を一通り解説する。アジア史とはあるが、専門である中国史の記述が多い。アラブ、ペルシアなど西アジアはあるが、東南アジアの記述が少ない。ただ宗教について踏み込んで書かれているのが興味深かった。「小乗仏教が各派に分裂し、おのおのその主張の中にたてこもって細かい分析註解と論争を累積して他を顧みないうちに、かえって仏教の理想を見失い、しだいに現実社会から遊離してゆくのに対し、進歩的な大衆部の中より、仏教の本義を考えて現実社会にこれを活用して共済の実をあげようとする新運動が台頭した」2016/05/23

MAT-TUN

8
宮崎先生の本だからまずハズレは無いが、本書はその執筆された経緯から面白い。太平洋戦争中の1942年の文部省から、大東亜共栄圏が成立した暁には共栄圏内の諸国民に読ませようとする遠大な目的が本書にはあった。皇国史観のようなものではなく極めて良心的なわかりよい概説書で今読んでも非常に面白い。西アジアで興起した文明が東流する様が読んでる端から伝わってくる。2011/06/27

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