中公クラシックス<br> 哲学

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中公クラシックス
哲学

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  • サイズ B40判/ページ数 513p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601247
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C1210

内容説明

「実存とは客観にならず、思惟し行為する根源」と説き、その条件を問う思想家の主著。

目次

実存
第1部 交わりと歴史性における自我自身(自我自身;交わり;歴史性)
第2部 自由としての自己存在(意思;自由)
第3部 状況と意識と行為のうちにある無制約性としての実存(限界状況;絶対意識;無制約的行動)

著者等紹介

ヤスパース[ヤスパース][Jaspers,Karl]
1883~1969。ドイツの哲学者。1908年、法学から医学に転じハイデルベルク大学の精神医学臨床助手、研究助手となる。『精神病理学総論』(1913年)で注目され、心理学教授資格を取得し、私講師として心理学の講義を行う。『世界観の心理学』(1919年)執筆を転機に哲学を専攻し、同大学の哲学教授となる。ユダヤ系の夫人への偏見でナチスにより大学を追われたが、第二次世界大戦後復職。1948年スイスのバーゼル大学に移る

小倉志祥[オグラユキヨシ]
1921年愛知県生まれ。東京大学名誉教授。1996年逝去

林田新二[ハヤシダシンジ]
1929年福岡県生まれ。電気通信大学教授、専修大学教授を経て、電気通信大学名誉教授

渡辺二郎[ワタナベジロウ]
1931年東京都生まれ。東京大学名誉教授、放送大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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加納恭史

20
さて、ハイデガーの実在論は良いのかなと思っていたが、ニーチェの悲観論の影響が大きいのて、疑問をもった。その辺りはどうなのか?この本でゆっくり考察する。ハイデガーは「存在と時間」で人間存在を存在論的に究明する。もともとの存在論は「実在的」であり、キルケゴールとニーチェの系譜があった。ヤスパースとハイデガーはキルケゴールの実存から出発した。ハイデガーはやはりニーチェの影響が大きい。ヤスパースは「実存」とは「本来的な自己存在」と捉えて、「自我自身」つまり「私自身」である。そこから身体的自我や社会的自我問う。2023/12/04

柳瀬敬二

12
ヤスパースの実存哲学は一人では実践できない、実存へと至る道程の中で、交わりKommunicationが大きな役割を果たしているからだ。限界状況の中で現存在から抜けだした人と人が、「対等で胸襟を開いた腹蔵なき状態での愛しあいながらの争い」を通じて実存へ至ると言及されている。ヤスパース本人が念頭に置いていた他者とは、ユダヤ人であった妻のことなのだろうか。 我々が生きている限り交わりにも実存にも終わりはなく、ただ唯一死によって完成される。2016/08/20

やまやま

10
「いかに生きるべきか」という問いかけが常にあるという視点からヤスパースを読んでいる。解説の中山剛史先生の表現を借りれば、われわれが現存在として生きている限り避けることができず、必ず突き当たって挫折せざるをえない(例えば争いや死)という「壁」のような状況を「限界状況」と呼ぶが、それに対して逃避したり忘却したりせず限界状況を直視せよ、ということを再確認。実存主義はこのように「孤独」へはかりを傾ける傾向があるが、ヤスパースは一方で「交わり」として普遍的な共同の生を追求する。合理的な発想には見えないかもしれない。2019/06/11

かんがく

10
試験勉強で主な部分だけ拾い読み。死、争い、苦悩、責めなどの人間である限り避けられない「限界状況」から目をそむけずに受け止め、かけがえのない優越性を排除した自由で対等な「実存的交わり」を行うことで、「実存」(本来的な自己)になることが出来る。哲学において孤独な思索でなく、コミュニケーションを重視し、他者との間でしか真理は求められないという考えが彼の特徴か。2017/01/29

singoito2

6
「可能的実存として、私が本当に現実的に存在するのは、ただひとえに、私が現存在しつつ現象し、現象のうちにありながらも、しかし現象以上である場合に、限るのである」P381。キリスト者としては、此岸的現存在として儚き現象でありながらも、終末を待望する実存にあるなら現象以上であり得る、と読みたいところ。難しい本だけど聖書の隣に備えたい一冊。ただし、最後の8章と9章が抄訳なのが残念。それでも、少し回り道した後、再読したい。2021/12/15

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