出版社内容情報
工の「牧歌風の生のイメージ」から一転、中世人の信仰生活、芸術形式が追求されフィナーレを迎える。
目次
勧学篇
修身篇
不苟篇
栄辱篇
非相篇
非十二子篇
仲尼篇
儒効篇
王制篇
富国篇〔ほか〕
著者等紹介
沢田多喜男[サワダタキオ]
1932年(昭和7年)東京都生まれ。東北大学卒。千葉大学名誉教授
小野四平[オノシヘイ]
1933年(昭和8年)宮城県生まれ。東北大学文学部卒。東北大学助手、宮城教育大学教授を経て、現在は奥羽大学教授、宮城教育大学名誉教授
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感想・レビュー
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神太郎
17
性善説とは逆の人間は生来は悪であり、学び、気づきそして実践していくことで後天的によき人間になる性悪説を展開する荀子。全文ではないものの、どうすればよき人間になれるか、よき世界にするにはどうすればよいのか。乱れた世の中をみたからこそ行き着いた考えなのであろう。墨子や孟子、孔子の名前も飛び交うのでここら辺を補完する本も読まねばなあと思い、概略的な本も今読み進めているが、東洋哲学もこう見るとなかなかに面白いが読み進めるのには苦労した。今だからこその必要な思考・言葉もあり、決して古い考えではない。正に温故知新だ。2020/03/20
きさらぎ
9
儒学の主流は性善説に基づく孔子→孟子→朱熹であり、「性は悪で善は偽」とする荀子の思想は傍流にあたる。戦乱の世、聖人が作り出した「礼」「楽」を身につけることで人は君子になれるし世に秩序がもたされるとの荀子の主張には切実さを感じる。その延長線上に法家が展開するが、荀子の「学びによって人は向上する」「良法があっても世は乱れることがあるが、君子がいて乱れることはない」という確信は、やはり儒家のそれだなあと思う。性悪説の節は確かに面白いが、その展開である礼楽の節はそれ以上に面白く、改めて礼楽論を勉強したいと思った。2017/04/13
半兵衛
2
「麒驥も一躍して十歩なること能わず 駑馬も十駕すれば則ち亦これに及ぶ」「苟くも中になき者は必ず外に求む」ぐさっときました。自分に至らないところがあっても力を借りることが出来る人は強い、とか、学んでこそ人たれる、とか力強い言葉が続く。あまりにも有名な「性悪編」の熱の入れように圧倒されて流されそうになる。いかんいかん孟子にも触れてみないと!2011/07/08