中公新書ラクレ<br> 英国公文書の世界史―一次資料の宝石箱

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中公新書ラクレ
英国公文書の世界史―一次資料の宝石箱

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  • サイズ 新書判/ページ数 300p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121506139
  • NDC分類 233
  • Cコード C1222

出版社内容情報

かつて世界の陸地の約四分の一を領土として支配した英国が、中世から現代まで千年のあいだに収集し、英国立公文書館に保管した文書と一次資料が私たちに語りかけるものとは。
「ホームズは実在した?」「切り裂きジャックが書いた手紙」「ロンドンでの夏目漱石の足跡」「原爆投下後の様子」「タイタニック号のSOS電報」……。精選された28のエピソードを通して、文書の歴史的価値、当時の社会背景、現代における意味づけを実感できる“世界史への通路”にあなたを誘う――。

小林 恭子[コバヤシギンコ]
著・文・その他

内容説明

中世から現代までの千年に渡る膨大な歴史資料を網羅する英国国立公文書館。ここには米国独立宣言のポスター、シェイクスピアの遺言書、欧州分割を決定づけたチャーチルの手書きメモから、夏目漱石の名前が残る下宿記録、ホームズや切り裂きジャックの手紙、タイタニック号の最後のSOS、ビートルズの来日報告書まで、幅広い分野の一次資料が保管されている。この宝石箱に潜む「財宝」たちは、圧巻の存在感で私たちを惹きつけ、歴史の世界へといざなう。

目次

第1章 日本にまつわる公文書
第2章 イングランド王国から大英帝国へ
第3章 大英帝国最盛期、産業革命の時代
第4章 2つの世界大戦、分割される世界
第5章 大英帝国の崩壊、東西冷戦
第6章 英国と日本の公文書館、これまでとこれから

著者等紹介

小林恭子[コバヤシギンコ]
1958年生まれ。在英ジャーナリスト。1981年成城大学文芸学部芸術学科(映画専攻)を卒業後、米投資銀行ファースト・ボストン(現クレディ・スイス)勤務。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ」(現「ジャパン・ニューズ」)の記者・編集者を経て、2002年渡英。英国や欧州諸国のメディア、政治経済、社会事情を雑誌やニュースサイトに寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はやしま

21
この視点があったと納得の1冊。読み易く、扱われる内容も日本との関わりからマグナ・カルタ、サイクス・ピコ、女性参政権、タイタニックと幅広い。公開を100年近く先に設定したケンブリッジ・ファイブに関わるフィルの内容も興味をそそられる。20世紀を扱った章では、東西冷戦、インド周辺及び中東の現在の混沌とした状況にいかに英国が”鉛筆一本で”大きな影響を与えていたかがわかる。巻末に参照した資料が記載されており、日本での公文書のあり方について頁が割かれている点も好感。大学生の教養課程に使えそうな良書。2018/09/16

まーくん

21
英国国立公文書館保管の多彩な一次資料から、文書作成当時の事情を読む 。マグナカルタや英国国教会設立につながるヘンリー8世の離婚証明など古い資料も興味深いが、何といっても近代における大英帝国の政略に絡む文書がすごい。中東での英仏の縄張りを決めたサイクス=ピコ協定地図に引かれた直線。大戦末期、チャーチルがスターリンに示した欧州分割の手書きメモ。"Roumania - Russia 90%..."などと%で勢力範囲を提案。数千万人の人生が決められたと思うと戦慄する。昨今どこかの国も次元の違う公文書で騒がしいが。2018/04/07

ちくわん

14
2018年3月の本。英国公文書館に保管されている記録をもとに。あまり一次資料としてのアピールはないが、途中からかなり深い。シェークスピアの遺言書、ロンドン万博、エドワード8世、ケンブリッジ・ファイブ。最初の方にあった「珍田捨巳」も驚いたが作者の名前が「小林恭子」(ぎんこ)にビックリ。予想以上だった。2019/09/25

さとうしん

10
英国国立公文書館の所蔵文書あるいは所蔵品を取っかかりに見る世界史。個々の文書にまつわる話もさることながら、第3章13で語られるイギリスでの郵便制度のおこりと、第6章の公文書管理の歴史が面白い。日本史や中国史でもこうした「公文書の日本史・中国史」(中国史の場合は档案と言った方がいいかもしれないが)を描き出すことができるだろうか。そんなことを考えながら読んだ。2018/03/13

miaou_u

8
須賀しのぶ著『革命前夜』を読み終えてのタイミング、ベルリンの壁をめぐる亡命劇、の章に涙が浮かんでしまうのだが、そもそも第二次世界大戦終結に遡り、発端の欧州の分割に、走り書きのようなチャーチルのメモ、筆者も書いておられるが、こんなもので人々の未来が委ねられてしまったのかと思うと、どれほどチャーチルが後に後悔の言葉を認めても、怒りと呆れしか沸いてこない。という文書もあれば、血の流れたアイルランド問題、ユーモア溢れるホームズ関連の逸話、など英国国立公文書館保管物を元に多彩に紹介されており、実際に目にしたくなる。2018/03/15

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