出版社内容情報
「こんな強烈な匂いと味なのに、お茶に入れて飲むなんて!」明治初期、牛乳を飲む英国人を見た日本人は胸が悪くなったという。だが築地に牧場が開設され、急速に普及する。芥川龍之介の実家も牧場を経営し、渋沢栄一はその牛乳を飲んでいた。一方で手が届かない下層市民は代わりにキャラメルを摂取していた。関東大震災や敗戦直後には、児童の栄養を案ずる人々によって学校給食が推進される。飲みものが語る日本の歴史。
内容説明
「こんな強烈な匂いと味なのに、お茶に入れて飲むなんて!」牛乳を飲む英国人を見た日本人の言葉である。だが明治二年、築地で牛乳が売り出され、日本人はその味に慣れていった。芥川龍之介の実家も牧場を経営し、渋沢栄一はそこから牛乳を取っていた。大正期には牛乳を加工したキャラメルが大流行した。関東大震災で緊急配布が行われ、敗戦後に児童の栄養を案ずる人々により学校給食への導入が進む。飲み物が語る近代史。
目次
序章 ミルクが届く朝
第1章 近代牧牛の揺籃期
第2章 渋沢栄一の牧場ビジネス
第3章 お相撲さんとミルク―栄養と衛生
第4章 ミルクのある暮らし
第5章 キャラメルの時代―食品加工業の進展
第6章 関東大震災と牛乳配給
第7章 学校とミルク―昭和期の脱脂粉乳
終章 ミルク供給の経済モデルと福祉モデル―経営問題と栄養問題
著者等紹介
武田尚子[タケダナオコ]
お茶の水女子大学文教育学部中国文学科卒業。2000年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。博士(社会学)。武蔵大学教授等を経て、早稲田大学人間科学学術院教授。専攻・都市社会学、地域社会学。著書『瀬戸内海離島社会の変容―「産業の時間」と「むらの時間」のコンフリクト』(御茶の水書房、2010年、第4回地域社会学会賞)、『マニラへ渡った瀬戸内漁民―移民送出母村の変容』(御茶の水書房、2002年、日本社会学会奨励賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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