中公新書<br> カラー版 ダ・ヴィンチ絵画の謎

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中公新書
カラー版 ダ・ヴィンチ絵画の謎

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  • サイズ 新書判/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024251
  • NDC分類 723.37
  • Cコード C1271

出版社内容情報

ダ・ヴィンチの手稿を研究し、世界観を知悉する著者が、ダ・ヴィンチ自身のものの見方に立って、絵画に潜む謎を解くスリリングな書。

内容説明

誰もが知っている『モナリザ』。しかし、よくよく見ればさまざまな謎に満ちている。モデルは誰か、なぜ微笑を湛えているのか。なぜ左右の背景はつながっていないのか、そもそもなぜこんなに荒涼とした風景なのか…。鏡文字で書かれたダ・ヴィンチの手稿を研究し、彼の抱く世界観を知悉する著者が、俗説を退けながら、現存する主要な絵画のテーマや来歴について、ダ・ヴィンチ自身のものの見方に立って解読する。

目次

『モナリザ』は女装したダ・ヴィンチか
最初の風景素描と『受胎告知』
フィレンツェ時代の自然観
ミラノ公国付きの技術者
スコラ自然学との出会い
ミラノ時代の地質学調査
『聖アンナと聖母子』の謎
大地隆起理論への疑問
世界終末の幻想
「どうぞ其処を退いてください あなたはいつも遮るのです」
わたしがどうしてあなたに向かって微笑んでいるのか、分かる?
ザッペリ説にも問題が
晩年のレオナルド

著者等紹介

斎藤泰弘[サイトウヤスヒロ]
1946年、福島県生まれ。1978年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都産業大学助教授、京都大学助教授、同大学大学院文学研究科教授等を歴任。京都大学名誉教授。専攻・イタリア文学、イタリア演劇。『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一共著)で第3回マルコ・ポーロ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

37
著者は、ダヴィンチが鏡文字で書いたノートブックの研究者らしく、そこから導き出せる地質学的観点から、ダヴィンチ絵画を分析する。カラー図版も多く、こんな視点もあったのかと新鮮だった。モナリザの正体に関しては、引用されているロベルト・ザッペリ「さらば、モナ・リザ」も読んでみたい。2017/06/27

かごむし

33
僕は絵画に疎いけれど、前に「アンギアーリの戦い」を美術館に見に行ったりと、ダヴィンチだけは知っている。万能の天才と言われるダヴィンチの手稿などから、彼の本当の姿を探る本。天才というよりも、極度の変人であり、しかしその異常な探究心は、学術的な訓練を受けていない一介の絵画職人を至高の高みにまで引き上げたと言っていい。ダヴィンチを伝説から一個に人間にひきずり下ろすことで、その本当の偉大さがようやく露わになってくるようだ。肝心のダヴィンチの絵についての考察はよくわからなかったが「モナリザ」は優しい絵だなと思った。2018/02/27

Kazehikanai

19
ダ・ヴィンチの手稿から当時としては先進的であったであろう科学的な考察を解読しながら、モナリザの謎に迫っていく。地質学、物理学、植物学などの科学的な思索を続けるダ・ヴィンチの姿は、今に残る傑出した芸術作品を思うと、そんなことは忘れてもっと絵を描いてくれと言いたくなるが、ダ・ヴィンチたる所以でもあるのだろう。もっとも後世における天才評価も、無学な姿や今から見れば稚拙に思える論理が、現在の評価が歪んだ結果に思わせる。ちょっと変な奴だったんだろうか。いずれにしても、モナリザの微笑みは美しい。2017/09/23

風に吹かれて

16
『モナリザ』を見るたび、いつもモナリザの背景になっている景色は何を意味しているのだろうと思っていた。また、『聖アンナと聖母子と子羊』も聖アンナ、聖母マリアそして幼子イエス、彼らが居る場所、背景に対する違和感を抱いていた。地球は丸いのに何故陸地があり海があるのか、地球はどのように活動し、将来、どうなるのか、ということへのダ・ヴィンチの深い関心と思索を著者は丹念に手稿を読むことで解き明かしていき、絵画にどう反映されているかを提示する。私にとっては目から鱗。ミステリーを楽しむように読めた。2017/05/31

中島直人

13
(図書館)ダ、ヴィンチの絵画を、その手稿から読みとこうとする。解釈に無理がなく納得感があると共に、著者の自由な独自の見解も出てくるので、十分に面白く読むことが出来る。あまりに学術的な厳密さを重視するばかりに全く面白くない本とは違い、新書としての良さ、自由さと学術的な真面目さがバランスよく出た凄く面白い本。2018/09/16

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