中公新書
ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡

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  • サイズ 新書判/ページ数 212p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019097
  • NDC分類 523.35
  • Cコード C1252

出版社内容情報

近代建築はル・コルビュジエに始まる――生誕一二〇年、今なお人々を魅了する彼の建築の新しさ・美しさはどこにあるのかを探る。

内容説明

ル・コルビュジエのお洒落で格好いいイメージは、建築専門誌以外でも特集記事が組まれることが多く、広く知られている。いったい、彼の建築のどこが人々を魅了するのか。本書は、彼が遺した膨大な作品群の中から初期のサヴォワ邸と後期のロンシャン教会堂という「世紀の名作」を軸として、この二つの建築物の新しさ・美しさはどこにあるのかを解き明かしつつ、一人の建築家の足跡と、日本の建築家に与えた影響を探る。

目次

プロローグ 「透明な絵画」から「透明な都市」へ
第1章 革新―幾何学の美
第2章 変貌―幾何学からの転身
第3章 成熟―集合、都市、闇
第4章 日本への影響
エピローグ 遺言―ラ・トゥーレット修道院(一九五九)

著者等紹介

越後島研一[エチゴジマケンイチ]
1950年(昭和25)、神奈川県に生まれる。早稲田大学理工学部を卒業後、東京大学大学院博士課程修了。工学博士。越後島設計事務所主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

76
全く形の異なるサヴォワ邸やロンシャン教会などお洒落な建物の紹介とコルビュジエの少しずつ変貌しながら次に生かす彼の軌跡が書かれている。2019/02/26

zirou1984

45
建築に関しては完全な素人だったのでル・コルビュジエについても最近知ったばかりなのだが、本書によってその足跡を知ることができた。サヴォワ邸とロンシャン教会堂という二つの傑作を軸にその前後における作風の変化を辿りながら、3人の弟子を持ち近・現代建築の歴史において主要な軸となっている日本との関係性についても触れている。幾何学を活かした建築だけでなく、都市計画としての視点を持ち得ることでその作風を推し進め、一つの潮流を生み出していったという解説には納得。中公新書はやはり専門分野への入門書としては最適。2015/09/20

ビイーン

21
本書の優れているところは、ル・コルビジェの作品を称えるだけでなく、その問題点も指摘している事。ただし斬新さを極めた建築の試みがなければ、進歩がないのも理解できる。低予算かつ短納期、デザインより機能に重きを置く工場を計画しているので、こういう建築に憧れてしまう。生産装置を容れる箱(=建築)では面白くないか。2016/10/30

ネムル

12
数日で雨漏りがしてまうようなサヴォワ邸を宙で完結しているとみるか地に足ついてないとみるかで評価は分かれそうだが、この傑作をはさんでの創造の軌跡こそが見所。コルビュジエを世紀の天才たらしめているのはサヴォワ邸とロンシャンの礼拝堂という全く異なった二つの頂点を極めているからだけでなく、常に問題意識を抱えての変容と強い建築論とに根ざした持続性があったことだろう。2009/08/07

浅香山三郎

10
コルビュジエといふ人の仕事の全体像と、そのなかでの集合住宅の位置みたいなことを知りたかつたので、たいへんためになつた。日本人の弟子についても、ある程度知つてゐたつもりだつたが、それ以外にも、安藤忠雄氏の建築にも影響を与へていたことなどは初めて知る。集合住宅についても、20世紀の進歩主義・近代主義の理想が、都市市民の生活の場として具体化され模索された。集合住宅にかういふ価値観が伴つてゐたことも、たいへん興味をひかれる。2017/01/25

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