中公新書
物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015648
  • NDC分類 236
  • Cコード C1222

内容説明

ピカソやダリが生き、ガウディの建築がそびえ立つバルセロナ。この街を中心に、いまもスペイン随一の繁栄を誇るカタルーニャは、かつてイタリアや遠くギリシャまで、地中海全域を支配した大帝国だった。建国の父・ギフレ「毛むくじゃら伯」、黄金時代をもたらしたジャウマ「征服王」や、騎士・錬金術師・怪僧が地中海せましと活躍する。栄光の中世から、混乱をへながらも再生への努力を続ける現代までをたどる通史。

目次

1 カタルーニャの誕生
2 栄光への助走
3 「征服王」ジャウマ一世
4 地中海の覇者
5 停滞、そして凋落
終章 その後のカタルーニャ

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チャーリブ

42
田澤耕さんの著作。歴史といっても中世の王や諸侯の勢力争いの物語が中心です。8世紀にイベリア半島に侵入したイスラム教徒はピレネーを越えてフランク王国に乗り込んできますが、カール・マルテルに撃退されます。その後緩衝地域として誕生した「ヒスパニア辺境領」がカタルーニャの始まり。一時はカタルーニャ・アラゴン連合王国としてギリシアあたりまで版図を広げた時期もあったのですが、次第に衰退していきます。ポルトガルのように近代国家になってもおかしくない歴史的地域だということがよく分かります。近年の独立問題も宜なるかなです。2023/02/04

23
スペイン北東部のカタルーニャ地方の歴史を描いた新書。文章がかなり柔らかい、というかくだけている。ジャウマ1世のような名君もいるが全体的にやや地味だなというのが正直な感想。政治・経済が発展して先進的な時代があったにしても、地中海帝国というサブタイトルはちょっとオーバーかなぁとも思う。スペインがアラゴン・カスティーリャの二つの王国が合体してできたのは有名だけれど、アラゴン王国自体もカタルーニャ王国との連合王国だったとは知らなかった。現在のカタルーニャは独立で揺れているが、問題の根っこはかなり深いようだ。 2015/10/04

coolflat

21
残念なのは、本書の内容がほぼ中世まで(コロンブスの新大陸到達)で終わっていることだ。中世以降の歴史が現在起こっている独立運動の歴史的要因としては重要だと思うのだが、ダイジェスト扱いになっている。それでも独立運動の遠因にあるカタルーニャの緩衝国家的性格は、中世をメインにした本書を読んでもつぶさに感じ取れる。中世はカタルーニャの黄金時代だった。しかし地中海の覇者カタルーニャは、コロンブスの新大陸到達を期に、衰退へと転じていく。舞台は地中海から大西洋へと変わり、カタルーニャはその流れに取り残されたのである。2017/11/04

ヒダン

15
歴史の本だけどそれなりにタイムリーかと思って読んでみた。スペインのフランスとの境で地中海と面しているバルセロナで有名なカタルーニャ地方の主に中世史。確かに昔から言語や政治への市民のプライドなど独立国となるにふさわしいだけの”私たちだけの文化”や地中海方面への勢力を持っていた。しかし王の血筋が絶えてからはいつの間にか君主が大スペイン国王になってしまったり、政治的に支持した方がことごとく戦いに敗れてしまって、独立の気運をここまで持つことができなかったようだ。いろんな王様がいるなぁとただ面白がれるライトな一冊。2015/10/16

サアベドラ

13
つい最近にも独立騒動があった、イベリア半島東部のカタルーニャ地方の歴史を扱う。9世紀から15世紀までの中世に紙幅の大半を費やしているので、通史を知りたい場合には不向きだが、歴史読物として抜群に面白く、<物語~の歴史>シリーズの中でも出色の出来。歴史叙述としては少々筆が滑りすぎている箇所もあるが、一般の歴史愛好家には文句なしにおすすめできる。著者は銀行員時代にバルセロナに飛ばされ、のちにバルセロナ大学で文学の博士号を取得した異色の経歴を持つ人物。歴史の専門家でないからこそ書けた本といえるかもしれない。2013/03/11

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