冷たい檻

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  • サイズ B6判/ページ数 480p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120051081
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北陸地方の海沿いにある小さな駐在所で警官が失踪。県警本部は個人的な都合で失踪したと処理する。後任として駐在所に着任したっ島崎巡査部長の下に、上層部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。日本海側の過疎の村にふきだまる欲望! 巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。そして、樋口の正体とは!?

伊岡瞬[イオカシュン]
著・文・その他

内容説明

北陸地方にある村の駐在所から警察官が失踪した。県警本部から派遣された調査官・樋口透吾は、後任の駐在・島崎巡査部長と共に失踪の謎を追う。そして、過去に発生した事件や事故が、村に存在する大型複合福祉医療施設に関係していると気づいた。「施設」に収容されている人々は、認知症の老人、問題を抱える小中学生、更生が必要な若者たちのみ。経営母体は世界的巨大資本の製薬会社。それに群がる日本政官財の黒い欲望と闇。そして子どもたちの間で囁かれる「アル=ゴル神」。この村で、一体何が起きようとしているのか。二人の捜査が難航する中、さらに凄惨で不可解な殺人事件が発生した。連鎖しながら加速する事態は、樋口自身の過去にも繋がっていく―。慟哭の警察小説。

著者等紹介

伊岡瞬[イオカシュン]
1960年、東京都生まれ。2005年に『いつか、虹の向こうへ』(「約束」を改題)で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞し、作家デビューした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

216
もしかしたら、この国のどこかでひっそりとこんな施設が出来ているのかもしれません。上手く運用できれば、それは素晴らしいのかもしれません。でも、絵に描いた餅かもしれません。そんなことが上手く回るような国にはどうしても思えないからです。期待の伊岡さんの新作です。今、この国の抱えている問題が浮き彫りにされてました。どうぞ、読んでみてください。ずっしりとした重さの中に真実がありました。ラストは胸が熱くなります。お薦めです。2018/09/14

🐾Yoko Omoto🐾

169
何の変哲もない田舎村に厚労省の肝入りで建設された複合型福祉施設。要支援の児童から老人までを収容し、今後の医療へのモデルケースを目指すという一見崇高な理念を掲げ持つ。その村で交番警官の失踪、施設の老人の転落死が相次いで起こり、ある筋から調査官の樋口が投入される。利権絡みの黒い駆け引きが跋扈する構図から、これは現実かと眉間に深く皺が寄るような薄ら寒い真相まで、飽きさせない展開に頁を捲る手が止まらなかった。登場人物のキャラ立ちも良く、主人公の樋口の人物像は特に魅力的。想定内のラストも見せ方が素晴らしかった。2018/11/24

nobby

151
何だろう…個人的な嗜好からあくまで傍観者に留まった感じ…介護施設・児童養護施設・更生施設を一手に展開する複合型ケアセンターでの闇となれば、職業柄まさに前のめり状態(笑)膨大に散りばめられた事柄は興味深く、気付けば500頁弱を一気読み。ただ、全部が見事に結び付いても「ふーん…」程度。後半にかけて徐々に明らかになる疑念の正体に強く憤り感じるものの、政治や国家などに行き着いてしまうと、現実に重なる滑稽さに思わず嘲笑するばかり…それに至る悪人たる心情や狂喜への過程など求めてしまう自分は、わがまま放題な欲張りかな…2020/05/17

うどん

135
厚い本でしたが物語に没頭してあっという間に読み終わっていました。面白かったです。2018/10/08

タイ子

132
読み応えありました。登場人物も多いけど、いろんな事件や事故が絡み合い、それが全て繋がっていくときのやるせなさ、もどかしさ、腹立たしさ、いろんな感情が押し寄せてきて最後に救われた思いです。17年前に息子が攫われた元刑事が現在はある情報機関にいて、ある地方の巡査行方不明調査にやってきた。そこの駐在所の巡査と村を巡っていくうち不穏な空気が漂っていることを知る。施設と呼ばれる建物の中で何が行われ、子供たちの使命は?そこに政、財、官が絡む欲と得が蠢いていた。最後まで飽きることなく読める面白さ。2018/10/05

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