三の隣は五号室

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120048555
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。―そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。

著者等紹介

長嶋有[ナガシマユウ]
1972年生まれ。2001年「サイドカーに犬」で文學界新人賞、翌年「猛スピードで母は」芥川賞、07年に『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

283
2016年谷崎潤一郎賞受賞。 第一藤岡荘で暮らす人々の物語。 着眼点が斬新で面白い..住人が次々と 入れ替わる藤岡荘の日々を 間取り.シンク等で 重畳して描く。読んでいると なぜか懐かしく なるのは 読者にも こういう時代があったからなのだろうか..物語の中に散りばめられている かつてのドラマは その時代の風景なのだろう。 不思議な感覚を覚える物語だった2017/01/01

抹茶モナカ

139
藤岡荘5号室の歴代の住人の挿話を描く。年代順に並んで語られる訳ではなくて、絡まり合いながら語られる。テレビ番組等時代に沿った風俗が小道具として登場し、なつかしかったり、共感したり。住人の心象風景が鮮やかにスケッチされていて見事。長嶋有さんには、テレビと漫画の使い方に共感させられる。僕自身も、今いる時代から、退室する日が来るのだな、と思った。2016/10/02

hit4papa

129
三方を障子に囲まれた不思議な間取りの部屋。この5号室に代々暮らした住人たちの日常を切り取った作品です。大家の息子の初代から始まり、OL、女子大生、家族、犯罪者(?)、単身赴任者、老夫婦、外国人などなど、アパートに住人が殆どいなくなるまでの月日が、些細な出来事をリレー形式でつないでいきます。後の住人かハテナとなる残されたもののいきさつが面白いですね。それぞれの年代のテレビ番組、出来事などさりげなく取り上げており、懐かしくなります。登場人物が多く、時制が行ったり来たりと、慣れるまで時間がかかるのが難ですね。2022/12/05

chimako

104
毎度のことながらクライマックスがわからない。全く盛り上がらず淡々と語られる5号室の暮し。1966年~2012年までの46年間、13組の住人たちのささやかな日常がテーマごとに語られていく。雨だれだったり、テレビだったり。一人目の藤岡一平に始り、二瓶、三輪、四元、五十嵐、六原、七瀬、八屋、九重、十畑、霜月、アリー(彼の名前がなぜ12と関係あるのかわからないが)、十三と住人の名前も凝っている。各章題もセンスがある。そして第九話メドレーに続く最終章で少ししんみりしてしまう。面白いでは表現できない一冊でした。2017/06/11

ケンケン

101
(490冊目)相変わらず挑戦的な作品を書いてくれるな~長嶋さん! どんなストーリー?っと説明を求められると…半世紀、あるアパートの一室【ヘンテコ間取り】とともに過ぎ去っていく歴代住民とそれぞれの生活の欠片を、俯瞰的に時には寄り添いながら垣間見る日常小説かな? とりあえず、私は好きな作品である。 一人暮らし時代を思い出しながら、フフッとほそく笑みながら楽しんだ♪ 凝った洒落た装丁もGOODΣ(゚Д゚) 2016/08/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10987692
  • ご注意事項