神のためにまとうヴェール―現代エジプトの女性とイスラーム

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  • サイズ A5判/ページ数 299p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784120046209
  • NDC分類 167
  • Cコード C1036

出版社内容情報

世俗化が進んだエジプトでヴェールをまとい始めた女性たち。現代ムスリム女性を取り巻く社会的・宗教的状況と、その選択の意味を問う。

内容説明

世俗化が進んでいたエジプトで、みずからヴェールをまとい始めた女性たち。現代ムスリム女性を取り巻く社会的・宗教的状況と彼女たちの選択の意味とは。ヴェールの内と外を読み解く。

目次

第1部 聖典とヴェール(クルアーンとヴェール―啓示の背景とその解釈;現代エジプトと「ヒジャーブ」―ヴェール着用の義務をめぐる議論とその根拠)
第2部 ヴェール着用を支えたもの(ヒジャーブをまとうまで―宗教冊子と説教テープが伝えるヴェール着用の理由;人気説教師とヒジャーブ―ヴェールの流行と言説の変化;芸能人女性の「悔悛」とヒジャーブ―ヴェール着用を支えた出来事と思想)

著者等紹介

後藤絵美[ゴトウエミ]
愛知県名古屋市生まれ。東京外国語大学南・西アジア課程、ペルシア語学科卒(2000年)。東京大学大学院総合文化研究科、地域文化研究、修士号取得(2002年)、同博士号取得(2011年)。平和中島財団奨学生としてエジプトに留学、カイロ・アメリカン大学女性・ジェンダー研究所に研究員として在籍(2003‐05年)。日本学術振興会特別研究員(DC2007‐09年、2009‐12年)。現職は東京大学東洋文化研究所助教。専門は西アジア・中東地域研究、イスラーム文化・思想研究、服飾文化史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ryo Hirao

5
イスラーム社会において女性が着用するヴェールを、経済性、安全性、人間関係といった文脈の中で理解しようとする際に捨象されることとなってきた宗教性、神との関係といった視点から光を当てようと試みる著作。導師や聖典解釈学者の見解から女優の語りや物語の登場人物のセリフといったものまで多様な資料を用い、神の啓示がヴェール着用の理由であるとする文脈の中で啓示がどのように理解されてきたかを考察している。災厄や試練から恥じらいや矜持への意識の遷移や、神の導きと悔悛など、視点の設定や資料の活用などの点でも参考になる。2015/04/17

千代

1
図書館本。元は博士論文だったんですね。何のために、何故ヴェールをまとうのか、強要されているのか、本当に自発的なのか、それから、宗教としての義務なのか。疑問は沢山あって、理解できないことも多かったけど、多くの矛盾を含みつつも結局のところは個人の信仰心が多数を占めているんだなと思いました。2015/03/29

保山ひャン

1
現代エジプトでのヒジャーブ着用者増加現象についての考察。クルアーンを根拠とするヒジャーブ着用の意味を土台として、94年『ルーズ・ユースフ』誌での「ヒジャーブはイスラームにおいて義務か否か」論争、数多くの宗教冊子とカセットが説明するヒジャーブ着用の理由、人気説教師アムル・ハーリドの説教、芸能人女性が改悛してヒジャーブを着用するに至った経緯などを題材にしている。キーワードは「フィトナ」(女性の誘惑が起こす社会の乱れ)と、「ハヤー」(自尊心からくる恥の観念)。エジプトにおけるイスラームのこともわかる面白い本。2014/09/12

almadaini

0
現代エジプトにおいて、イスラーム教徒の女性がヒジャーブと呼ばれるヴェールをかぶるという現象の内的論理を分析したもの。読みやすい。装丁が綺麗。本としてしっかりしている。2014/12/29

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