内容説明
イタリアの思想は伝統的に、国民国家という枠組みに縛られてこなかった。あらゆる局面で国民国家の枠組みが弱体化しつつある現在、その思想がアクチュアリティを帯びてくるのは必然的といえよう。「生政治」の思考を突きつめたこと、神学の「世俗化」を積極的に議論の俎上に載せたこと、「否定の思考」に実践的に取り組んでいること。この三つ巴こそがイタリアン・セオリーの最大の特徴にほかならない。アガンベン、ネグリ、カッチャーリ、エスポジト、タフーリらの思考が描く生きて脈打つ軌跡を辿る。
目次
第1章 「死政治」から「非政治」へ―イタリアにおける「生政治」の展開
第2章 ナポリ発、全人類へ―ロベルト・エスポジトの思想圏
第3章 カテーコン―神学と政治の閾
第4章 翻訳の「神学」と人類学
第5章 聖フランチェスコの亡霊
第6章 カッチャーリとモダニズムの「天使」たち―『必要なる天使』に寄せて
第7章 建築の堕天使―マンフレード・タフーリと批評
第8章 デリダを読むアガンベン、アガンベンを読むデリダ
第9章 新たなる方法序説―アガンベン『事物のしるし』に寄せて
第10章 ネグリ+アート
著者等紹介
岡田温司[オカダアツシ]
1954年、広島県生まれ。1978年、京都大学文学部哲学科卒業。85年、京都大学院文学研究科博士課程単位取得退学。岡山大学助教授等を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻、西洋美術史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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