夢も定かに

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120045318
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

今も昔も女の悩みは変わらない--天皇に仕える采女として上京してきた若子。権謀渦巻く後宮で生きる女官の姿を描いた物語。

内容説明

郷里を離れ、天皇の身の回りの世話をする采女としてやってきた若子。同室にはしっかり者の笠女、数々の男性と浮き名を流す春世がいた。器量は十人並み、何事につけても不器用、優柔不断な若子も、次第に宮廷内で生き抜く術を身につけていく。だが藤原一族の勢力が伸張しつつある時代にあって、若子も政争に巻き込まれ…。

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都市生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒、同大学院修士課程修了。2010年『狐鷹の天』で小説家デビュー。同作品で第17回中山義秀文学賞を最年少で受賞。13年『満つる月の如し』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さつき

65
奈良時代の後宮に勤める采女達の物語。妹に代わって出仕することになった若子。仕事のできる笠女。時の権力者の愛人として子も産んだ春世。三人の個性豊かな采女の視点から語られる宮中のあれこれが面白かったです。阿倍皇女と 井上皇女、不破皇女がほとんど同じくらいの年齢である以上、作中で描かれたようないざこざは、しょっちゅうあったことでしょうね。若子達のこれからを是非読んでみたいので、続編を期待したいです。2018/05/07

優希

58
面白かったです。奈良時代の後宮に勤める采女たちの物語。色々な立場に立ちながら自分の生き方を模索しているのが美しく見えました。現代と通じるところあれど、古代は独特の風景が紡がれるような気がします。2021/07/25

万葉語り

55
奈良時代の采女の日常を描いた作品。藤原四兄弟、麻呂の子供を産みながら、正妻に子供を渡し浮かれ女と噂されながら働き続ける春世。書司で働く才女の笠女。妹の変わりに采女として出仕する若子の3人が、長屋王や聖武天皇の時代を現代の女性とさして変わらぬ感性で生き抜く様子がさらっと読めて面白かった。おススメです。2019-0272019/02/09

ゆりあす62

55
図書館本。★★★☆☆ 720年代の後宮で働く女官達の物語。中にも派閥があって、畿内豪族の娘がー「氏女」vs畿外諸国の郡司の子女はー「采女」。そして藤原氏一族vs反藤原氏。2016/07/22

shikashika555

44
藤原四兄弟が台頭する内裏宮城の後宮。 地方では姫君と奉られる立場ながら、京に出仕すれば田舎出の身分の低い采女として 理不尽な思いに耐えながら働く事になる3人の若い女性たち。 彼女らが 狭い世界での身分差別やいじめ、男性官僚たちの思惑に右往左往せざるを得ない生活の中で なんとか身を立てていきたいともがき、自分なりの身の処し方を覚悟と共に決めていくまでの成長物語。 時代背景や成長物語という枠組みは この作者の得意とするところなのだが、主人公が女性となるとやはり伸びやかにできず 切ない展開と結末になってしまう。2021/06/20

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