出版社内容情報
ウミガメ、シイラ、海鳥、白熊、ペンギン……生き延びるための食の知恵と工夫とは? 大の漂流記マニアが選ぶ壮絶なサバイバル記。
内容説明
荒海に突然、投げ出されたら、あなたはどうやって生きのびるか?残された食べ物はわずか。飲み水もない。彼らはどうやって死から逃れられたのか。ウミガメ、海鳥、シロクマ、ペンギン…初めて生で口にするものばかり。運と知恵、最後まであきらめない意志が命をつないだ。『117日間死の漂流』『荒海からの生還』『日本人漂流記』ほか、大の「漂流記マニア」が選んだ壮絶なサバイバル記の数々。
目次
夫婦や家族はどう生き延びたか
大海原の小さなレストラン
北の果てで銀色の馬を見た
北をめぐるでっかい漂流
考える漂流イカダ
アザラシ、シロクマで生き延びた
コン・ティキ号黄金海路を行く
十六中年漂流記
竹のイカダで実験漂流
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年、東京都生まれ。作家、写真家、エッセイスト。『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞、『アド・バード』で日本SF大賞。小学生の頃に読んだ『十五少年漂流記』を皮切りに、漂流記本の虜になっている。探検、冒険にも心を奪われ、タクラマカン砂漠、マゼラン海峡、アリューシャン列島他、多くの辺境を旅している。自宅の書庫には、200冊を超える、漂流記、冒険記、探検記がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
127
2019年から2020年にかけて雑誌に連載されたもの。漁船やヨットが動物にぶつかったりして難破し沈没したり島に漂着したとき残された人は、どのようにして食料や水を調達するのか漂流にまつわる本から読み取る。著者は漂流記ものというジャンルが好きだと言うが私もこの本に出てくる「大西洋漂流76日間」やコン・ティキ号、エンデュランス号の話はワクワクしながら読んだ。しかし実際に事故に遭った人にしてみれば人生を終えるかそうでないか二者択一の事。それをなんとか乗り切った主人公たちは凄い精神力だと思った。図書館本 2022/05/04
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
58
読みともさんのレビューにひかれて。本書は、漂流記マニアである椎名さんが自宅にある百冊もの漂流関係の本をひっぱりだしてきて、読み応えのある本を選び、「何を食べていたか」に絞ってまとめたもの。ウミガメ、カツオドリ、シイラ、トビウオ、サメ、シロクマ、ペンギンなどが食料となっていた。漂流者の精神力、対応能力、食に対する貪欲さなどが生還につながっていることがわかる。絶版も多いようだが、ここで紹介されている本を入手できる限り集めて読んでみたくなった。2022/03/07
けぴ
58
吉村昭さんの漂流物は好きで良く読みました。椎名誠さんはマニアのようで古今東西の漂流物を読破し「何を食べていたか?」という視点でまとめたのがこの一冊。アクシデントで漂流してしまうものからコンチキ号のように実験的に漂流するものまで様々な体験が綴られています。筏に飛び込んできたトビウオを食べるシーンが印象的。2022/03/03
こばまり
55
元来、人や特に動物が辛い目に遭う話は好まないが、タイトルと筆者、新潮選書という組み合わせについ手が伸びた。おすすめ上手であるので、参考文献からつい1冊購入してしまった。前口上の変わらぬシーナ節に緩んだ頬が短いあとがきで引き締まる。2022/01/18
チャーリブ
44
著者は根っからの漂流記好きだが、漂流記の中で「漂流者は何を食べていたか」というテーマに絞ったのがこの作品。文明食が尽きれば野生の魚や鳥などを食べるしかない。ウミガメ、海鳥、サメなどの魚を手づかみで捕まえて自力で捌いて食べる、という壮絶な食生活となるのだが、はたして自分自身がそんな生活に耐えられるだろうか。多くの漂流者が死ぬのは3日目あたりらしい。水や食料の算段以前に絶望して死んでしまうという。たぶん自分もその口だろう。ある意味、何十日、何百日の漂流を生き延びた人たちは才能と幸運に恵まれた超エリートだ。○2022/02/02