出版社内容情報
新人刑事VS時効目前大事件！ テレビや小説で無視されてきたディテイル満載。元キャリアの著者だから描けた超絶リアルな警察小説！
内容説明
警察官になって六年目。（いちおう）テロ対策部門を志望していた僕は、能力も性格も平凡。なのに、県で一番大きい警察署の署長から突然スカウトされて、『刑事一課強行係』の刑事になった。とにかく、せっかく刑事になったんだ。時効完成のＸデーまで三箇月の『あの事件』。全国指名手配犯の女にとっては、じき天国。追いかける警察にとってはもう地獄。運命のその日が来るまで、あきらめるわけにはいかない。あの女を、捕まえてみせる！経験と創造力の奇跡的な融合。元キャリア警察官の著者にしか描きえない、未曾有の警察小説！
著者等紹介
古野まほろ［フルノマホロ］
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Ｄｒｏｉｔ ｅｔ Ｐｏｌｉｔｉｑｕｅ ｄｅ ｌａ Ｓ´ｅｃｕｒｉｔ´ｅ」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Ｄｉｐｌ＾ｏｍｅ ｄｅ Ｃｏｍｍｉｓｓａｉｒｅ」受領。なお学位授与機構より学士（文学）。警察庁１種警察官として交番、警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務の後、警察大学校主任教授にて退官。２００７（平成１９）年、『天帝のはしたなき果実』で第３５回メフィスト賞を受賞し、デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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しんたろー
165
古野まほろさん初読み。元キャリア警察官らしく、警察内の人間関係や仕事等の詳細が描かれていて面白いし、所々で調書や関係書類を駆使した工夫が興味深い。ただ、説明や表現がくどくて、500ページが長く感じるが難点。その中に巧妙に散りばめられた伏線があるので仕方ないとは思うが、会話表記も他には少ない形式なので、慣れるまで違和感があった。ミステリずれした厭らしい読者なので、事件の真相は予想がついてしまったが、好感もてる主人公の成長物語として楽しめるのが良かった。他の人物たちも魅力的で、最終章は素晴らしい出来だった。2017/08/24
🐾Yoko Omoto🐾
157
公訴時効が迫った傷害致死事件を追う刑事たちの三ヶ月を、圧倒的ディテールとボリュームで描いたまほろ流リアル警察小説。職務の粒さな描写、警察内部の日常に完全階級社会のパワーバランスなど、他の警察ミステリの追随を許さないほど、まほろ氏が持つ知識がふんだんに盛り込まれている。この細かすぎるほどの組織の描写は一見無駄にくどいようだが、その実ミステリ部分に大きく作用していると同時に、ラストのカタルシスを感じるにも必要不可欠であるところが実に巧い。そしてリアルとドラマチックの絶妙な配合がまた"ならではだ"と唸る秀作。2017/07/11
いつでも母さん
111
は～長かった！四分の三まではもうね、細かくてせっかちな私には我慢を強いられた感大でした。が、第4章ラストに向かい新任刑事・原田貢が淡々と追い込むあたりは一気に引き込まれた。灯台下暗し、まさかこうした手口を身内がねぇ・・警察官が絡んだ事件はもう信じられないのか？「いや、現実では無いよ！」「ほとんどの警察官は真摯に職務を全うしているよ！」と誰か私に言って下さい。2017/06/18
タックン
96
前半は警察組織の話とかがこれでもかって出てくるし話は進まないし、おまけに（新任刑事）って題名の意味がわからず読み進まなかった。後半に一気に話が進み題名の意味が分かった時面白いなって感じた。そして真相に驚愕した。特に最後に新任刑事が真相を掴み犯人を追い込むくだりのロジックはくどいけど素晴らしかった。でもやっぱり警察小説の王道の公安部門対刑事部門、キャリア対ノンキャリア、そして痴情のもつれの３点セットだった。もっとアリスが活躍するのでは？と思ったしして欲しかった。美彌子の運命が悲しい。お勧めの警察小説です。2017/11/26
ゆみねこ
86
愛予県警の公安課長が殺害され、傷害致死犯人である渡部美彌子は逃亡中。県警の威信をかけても事件を解決したい、公訴時効が迫る中、交番勤務の原田貢は刑事課に配属となり、美彌子を追う。西公安課長を殺害した真犯人と美彌子の逃亡を助けていたのは誰か？分厚さにめげず一気読みする面白さでした。新任巡査も面白かったけれど、こちらは更にパワーアップ。2017/07/09
