新潮文庫
ポケットの中の野生―ポケモンと子ども

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  • サイズ 文庫判/ページ数 163p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101290126
  • NDC分類 797.9
  • Cコード C0195

内容説明

子どもたちはなぜポケモンに夢中になるのか?元昆虫少年が自然体験をもとにデザインした携帯ゲーム機のソフト『ポケットモンスター』は1995年に発売されて以来、爆発的な人気を得ている。ポケモンに無意識の野生を呼び覚まされた子どもたちは、ゲームの中で異界のモンスターを追いかけ、その力を感じとっているのだ―ポケモンを論じて21世紀の野生に迫る、画期的なゲーム論。

目次

第1章 インベーダーゲーム革命
第2章 モンスターの誕生
第3章 RPGのエロスとタナトス
第4章 『ポケモン』の手柄
第5章 今日のトーテミズム
第6章 ゲームの世界の贈与論

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950(昭和25)年生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。宗教学者。哲学者。チベット密教を修行し、その体験から得たものと、ポスト構造主義の思想を結合させて、執筆活動を開始した。既存の学問領域にとどまらず、横断的な独自の思考を展開
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

326
ポケモンについて語るというかポケモンが出るまでに至るゲーム論を論理的に哲学的に書かれた一冊。ポケモン第一世代からずっとやっていた身としては何気なくしているポケモンの意味づけがされた感じで新鮮に感じた。2017/01/10

Miyoshi Hirotaka

24
誰もがもつ野生の思考を開放できるのがポケモン。スペース・インベーダーは意味付けができない光の物体を出現させ、TVモニターを新しい空間にした。現れては消滅する光は、人の心の奥にある生への欲望と死に向かおうとする衝動を刺激した。やがて、ゲームのキャラクターにプレーヤーの人格を付着させられるようになった。さらに、交換や贈与もできるようになり、自分の人格を相手の人格に送り込むことが可能になった。わが子を里子に出す体験もできる。ゲームは野生の思考の避難所。人間が無意識や原始の世界で体験した豊かな体験を再現している。2018/03/06

nbhd

19
はじめはトンデモ本の印象だったけど、読むうち他に類を見ないゲーム論の地平をひらいた批評だと思うようになった。宗教・人類学者のポケモン論。エロス・タナトス・対象aと精神分析用語の連続に面食らうけども、結局は子どもの認識の特性として「ザリガニ獲り」と「ポケモンゲットだぜ!」は地続きのイコール関係にあって、それはレヴィ・ストロースの「野生の思考」の現代版なんだぜ、という話。これはちょっとどうかと思うけど、思考は自由。読んで気づいたことだけど「モンスター」ってゲーム的には重要な要素だ。2015/02/01

Bartleby

11
ポケモンの面白さについて対象aや野生の思考の概念から解釈する本。ポケモンは小さい頃にはまってて、それと同時にその頃は外を「探検」するのにも夢中になってた。その二つへの興味は別々のものだと思っていたけど、実は同じ根をもっているのだというのがなんとなく理解できて面白かったです。2013/05/10

白義

10
ポケモン論的な部分より、ある種のゲームの楽しさ原論的な箇所が特に楽しく読めた。軽い本だが中沢哲学を理解する上で重要な本でもあって、野生の思考、神話論理というのは本物の自然だけでなく、技術による疑似自然と人間の関係にも見出だされる。それを表現することによって自然哲学を拡張した本なのだと思う。フロイトやラカンを援用して、ゲームにはまるあの感じに迫ってる部分は納得したけど、ポケモンと子どもの科学に迫った部分はポケモンから離れたボクには上手く判断出来ない。分類といい贈与といい、むしろオタク論にも思えた2012/03/05

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