新潮文庫
フォーカスな人たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 492p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101259314
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0195

内容説明

1980年代から90年代前半、バブル景気を踏み台に活躍し、写真週刊誌の格好の被写体となった5人がいた。AV女優の黒木香、その黒木を撮った監督・村西とおる、事故死した個性派女優・太地喜和子、金融詐欺で逮捕された料亭女将・尾上縫、そして元総理大臣の細川護煕である。時代に翻弄された彼らの苦悩を、入念な取材と巧みな文章表現で浮かび上がらせた傑作ルポ。

目次

黒木香―生真面目に猥褻を生きた“わたくし”
村西とおる―日本一忙しい男根をもつ名セールスマン
太地喜和子―けたたましく笑いながら海へ還った紀州女
尾上縫―日本経済に大穴をあけた稀有なミナミの女将
細川護煕―虚ろなリベラル人気に浮かれた肥後の“殿”

著者等紹介

井田真木子[イダマキコ]
1956(昭和31)年、神奈川県生れ。慶応義塾大学哲学科卒。会社勤めを経て、’81年からフリーランス・ライターに。’91(平成3)年『プロレス少女伝説』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。’93年『小蓮の恋人』で講談社ノンフィクション賞受賞。その他に『十四歳』『もうひとつの青春』などの著書がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

4
日本のノンフィクションは自己表白のためのメディアだ、という福田和也の解説に禿同。自己表白というナルシズムが皆無の井田さんの作品が甘くないという意味で怖いのは当然のことか。細川護煕の項が個人的にはもっとも興味深かった。細川佳代子が皇太子妃になってたらよかったんだよ。日本の総理大臣ってのは総理になって何かする、ってんじゃなくてなってみたい、って人ばっかなってるんだな。2013/07/30

JunTHR

3
井田真木子著作撰集には収録されていなかったが、これもやっぱり面白い。黒木香、村西とおる、太地喜和子、尾上縫、細川護煕という五人を取り上げた短編ルポ集。「池田大作 欲望と被虐の中で」もそうだが、短中編での人物ルポにもやっぱり刻まれる井田真木子印。対象の言葉や取材からキーワードを見つけ、そこに収斂される鮮やかさと、そこから零れ落ちるものの余白。太地喜和子の章、「作話」「錯誤」の人という評は奇しくも井田真木子その人を想起させる。2016/04/01

遊歩者

1
古本屋で探し出して読んだ。特に、太地喜和子以降が面白かった!とりわけ細川護熙の章は、モヤモヤ、イライラしながらも読んだ。2017/04/17

団塊シニア

1
フォーカスという写真週刊誌の被写体となった5人の壮絶な人生を丹念な取材と筆力で描いたノンフィクションの傑作。45歳という若さで亡くなったのは残念です。2012/03/04

unterwelt

0
黒木香、村西とおる、太地喜和子、尾上縫、細川護熙を取り上げたルポですが、著者は人物というよりも人物を通して時代を書きたかったのだろうなぁと思いました。黒木香、村西とおるのところはイマイチ面白くなかったのですが(これは自分が彼らのやったことに興味がないからかもしれません)、太地喜和子以降は面白かったです。文庫版エピローグの「バブルが非日常的なことがらが日常的になりかわってしまう事態なのだとすれば、ひとつのバブルのあとに、またひとつのバブルが続くことは考えられる」という文章が印象的。 2017/03/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/127009
  • ご注意事項