出版社内容情報
ゾナハ病と「しろがね」が生まれた村へ
鳴海はギイと共にクローグ村に立ち寄る。そこで、最古の「しろがね」ルシールは、黒衣の男とフランシーヌ、4人の道化による惨劇がすべての始まりであったことを語る。
すべての鍵を握るのは、ルシールらの生命をつなぎ、自動人形と戦うことを宿命付けた「生命の水」。それを生み出す「柔らかい石」は、良い笑顔の者の中にあるという。ローエンシュタインの公女・エリに目を付けた自動人形のアプ・チャーは、大公の座を狙うギュンター侯と組み「人形から人間に」なる機会をうかがう。
【編集担当からのおすすめ情報】
藤田和日郎の長編第2弾「からくりサーカス」が、待望の文庫化。各巻にポイントを振り返るコラムを掲載し、複雑な物語をわかりやすく解説していきます。また、カバーを外した表紙には、著者の制作ノートからラフイラストや初期設定画などを本邦初公開! サーカス、人形、からくり……3つのキーワードが、時代を超えて絡まり合う冒険活劇を、余すところなく収録する全22巻、「ゾナハ病」と「しろがね」の誕生が語られる第4巻の登場です!!
藤田 和日郎[フジタ カズヒロ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
35
〝しろがね〟誕生秘話。本気でグロテスクに走る藤田先生はヤバい(笑)首お手玉とか人肉玉乗りとかさ。ローエンシュタイン公国編は藤田版ローマの休日。アプ・チャーさんは最期に人間になれたのかな。ルシールもギィも、実は結構いい奴らだ。2019/01/22
北風
15
しろがねって、呼び名が出てくるといろいろとややこしいな。エレオノールとギィって面識があるのかいな? ルシールがパンクなおばあちゃんの巻。エリのローマな休日。次はまた、勝たちのエピソードかな?2017/09/27
kanon
7
物語が濃密過ぎて満足感しかない。むかしむかし、のエピソードの描写のエグみが半端では無くて、これ少年マンガか?となるほどである。トラウマレベル。しかし…そのいつ人が死んでもおかしくない程の過激な描写のおかげでシリアス度というか、切羽詰まってる感が凄い出て、流し読みなんかでは本編を読めないという楽しみも生まれるのだった。本当に、何が起きてもおかしくない。主要キャラもそこで死ぬべきだと藤田さんが考えればすぐに殺すだろう。2017/11/15
うさみP
6
むかしむかしの元はただの村の女だったルシールの壮絶な過去。狂った黒衣の錬金術師と美しく麗しきフランシーヌ人形。柔らかい石の行方は。二丁機関銃ババアかっこよすぎる(でも・・・なかなかに効くだろう)。「逃げる」ことができるのは人間だけ。「逃げ」という否定的な言葉を「変化の可能性」と肯定的に捉えるのはスゴイ。復讐の為に変化を捨てた人形人間(しろがね)と変化に焦がれる不変の人間人形(自動人形)の一切救いのない構図は面白いな。2017/09/18
ジョン・ドゥ
3
アルレッキーノやアプ・チャーら初期の連中は十分人間らしい思考を持っているけど交わる事は出来ない運命だな。逃げると言う選択肢が無い段階で人形もしろがねもどちらも人間にはなれないのかね。それにしても2挺拳銃のBBAカッコ良すぎ。濡れるッ!!2017/09/17