出版社内容情報
映画化(R18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
最後の、夜。
―始まりはこのバーだった。
娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。
石田 衣良[イシダイラ]
著・文・その他
内容説明
娼夫として過ごした7年間、ずっとみつめてきた。めまぐるしく変わる欲望の形、そして身体だけでつながる性愛の意味を―。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京生まれ。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。03年「4TEEN」で直木賞受賞。06年「眠れぬ真珠」で島清恋愛文学賞受賞。13年「北斗 ある殺人者の回心」で中央公論文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
282
「娼年」シリーズ三部作、完読しました。割とさらりと終わって仕事は継続しているので、完結せずに、IWGPシリーズのように続いてしまったりして・・・八百万神の国には、八百万の女の欲望のかたちがあるようです。映画は観ずに原作だけで良かった(悔) http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/180406_book02.html 【読メエロ部】2018/05/16
おしゃべりメガネ
206
先日、過去2作を再読したばかりだったので、すんなりと世界観に馴染んでいけました。瑞々しい文章や独特な哲学的な言い回しなど、石田衣良さんの「call boy」ワールドは健在です。やはり一作目のインパクトがあまりにも衝撃だったせいか、3作目となるととにかくキレイにまとめていくしかないんだろうなと。作者さんもこのシリーズを果たしてどう仕上げていくか色々と悩んだのではないでしょうか。本作も様々なタイプの女性が登場し、決してただの官能小説では終わらせないトコがさすが直木賞作家さんですね。タイトルがやはりステキです。2018/04/20
hiro
126
松坂桃李主演の映画で『娼年』を知り、この小説の『娼年』シリーズを読んできた。最初はひと夏だけの娼夫かと思っていたリョウが、娼夫としてお客の女性との交流を通して、自分の適性を見つけ、人として成長していく。このシリーズ最終作の『爽年』は娼夫となって7年目のリョウを描く。今回も高齢処女、無性愛者などリョウが出会った女性に性の欲望を満たしていく。石田さんのこのシリーズでは、性が美しく描かれていて、今まで読んだ官能小説とはまったく違った印象を受けた。性に対する考え方、特に女性の性についての考え方が変わる作品だった。2018/07/24
mmts(マミタス)
125
実に石田衣良さんらしいストーリー。石田衣良さんの詩的な表現力は個人的には大好き。しかし、石田衣良さんが苦手なかたにはオススメしないかな。大学生だったリョウはいつの間にやら三十路目前に。高齢処女の女性、世界に絶望する拒食症の女性、セックスを望まない女性など、やっぱり着眼点はとにかく石田衣良さんらしい。個人的にはリョウとサクラはプラトニックが良かった。多分、この二人の関係性が変わったから、これ以上の続編は望めないかと。あれこそがアズマの全てかな。アユムの出番がなく、それは残念だった。リョウに救いを求めたい。2019/04/15
yuyu
123
シリーズ最終章。はぁ、終わっちゃった…もう、リョウにも咲良にもアズマにも逢えない。寂しい。確かに、娼夫の物語ではあるのだが、ドロドロしたものはなく、爽やかささえ感じる。究極、男と女の交わりは美しいものなんだ。最後に起きる二つの出来事、一つは想像していたし、喜ばしいことだったが、もう一つはショッキングだった。これからのリョウの幸せをただただ祈りたい。2018/08/09