出版社内容情報
従来の幕末史観に果敢に異議を唱える強気の考証で衝撃的デビューを飾った池寒魚の「隠密絵師事件帖」シリーズ第2巻! 高杉、土方と幕末史の主要人物も登場、時代は加速し始める──。(解説/末國善己)
池 寒魚[イケカンギョ]
著・文・その他
内容説明
安政7年。大老井伊直弼が桜田門外に斃れ、幕府終焉の予感に満ちる江戸・品川宿。鋳掛屋の利助は長屋でひとだまを見たという。絵師で用心棒の誠之進は、師・河鍋狂斎と共に真相解明に乗り出すが、「天狗」と称する刺客に襲われる。怪談から攘夷派の陰謀へと、事態は俄にきな臭さを帯び…。隠密の顔も持つ誠之進が幕末動乱期の裏表を目の当たりにする時代小説シリーズ、驚天動地の第二弾。
著者等紹介
池寒魚[イケカンギョ]
年齢、出身地ともに非公開。2018年4月、文庫書き下ろしの『隠密絵師事件帖』で鮮烈なデビューを飾った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
17
桜田門外の変の後の騒然とした江戸の様子が描かれる。勝海舟、土方歳三、高杉晋作、山岡鉄舟、松浦武四郎などがさらっと登場するし、河鍋暁斎も含めて政治的でない人間は物価があがったことをぼやきながらも普通に生きている。主役の誠之進はきわの気持ちにも気付かない「野暮天」であまり思いつめるタイプでもない。その誠之進の目を通した幕末は一味違う。今後の展開が楽しみだ。2018/07/21
onasu
15
桜田門外の変のあった(安政七)年の夏、主家(安藤信正)が老中首座となり、臣下の部屋住み司誠之進の境遇にも変化があったかと思ったが、変わらず品川の旅籠の用心棒をしていた。 口入れ屋の藤兵衛が十手を預かったことから、御用の筋にも顔を出すようになって、流しの鋳掛屋が見たという「ひとだま」が端緒となる企みと対峙していくが、そこにはこの期特有の事態も絡んでいた。 絵師の河鍋暁斎、隠居の身の父親、横目付の手代といったレギュラーに加え、幕末の志士の名も散見されたが、残念ながら馴れたせいか、初巻ほど頁は進まなかった。2020/11/23
タツ フカガワ
7
絵師であり品川宿の旅籠の用心棒でもあり、幕府の隠密としても働く誠之進、今回は長屋近くで起きたひとだま騒動に巻き込まれる。シリーズ2作目は、勝海舟、高杉晋作、土方歳三ら幕末の志士の絡みも面白かった。また徳川水戸家誕生の経緯と、それゆえ尊王派となったという解釈も興味深く読みました。2019/05/19
あいちょ。
3
図書館。 誠斎2作目。2024/03/12
bvbo
3
シリーズ2作目。ひとだまが出た長屋の周辺を調べていると、「天狗がいた」という若い男が現れる。話しが進むと、新選組や維新に関わりある人物達が出てきて、そんな時代なんだなと面白い。この頃の情勢は難しくて〜。誠さんも暁斎先生に課題出されて良かったね。次はまたビッグネームが登場のようでどうなる。2020/02/15