出版社内容情報
第二次大戦下、フランス戦線でドイツ兵と対峙する日系アメリカ軍兵士たち。その苦難に満ちた足跡を辿る時、歴史と信仰が交差し、生きることの本当の意味が見えてくる。過去と未来、魂の邂逅が紡ぐ巨編。(解説/SUGIZO)
辻 仁成[ツジヒトナリ]
著・文・その他
内容説明
第二次世界大戦下、フランス戦線でドイツ兵と対峙する日系アメリカ人のニック、ロバート、ヘンリー。僕らは所詮、白人の弾除けなのか。“Go for broke!”を掛け声に戦う青年たちの心は次第に壊れ、行方も散り散りになった。あれから七十年、彼らの血を引くケインとマナは数奇な運命に導かれて出会う。歴史と信仰が交差するとき、生きることの本当の意味が姿を現す―。魂の邂逅が織り成す大河小説。
著者等紹介
辻仁成[ツジヒトナリ]
1959年東京都生まれ。89年『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞。以後、作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と、幅広いジャンルで活躍。97年『海峡の光』で芥川賞、99年『白仏』のフランス語翻訳版「Le Bouddha blanc」で、フランスのフェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞。現在は拠点をフランスに置き、創作活動に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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げんまん
1
徐々に明らかになっていく登場人物どうしの関わりが、濃密すぎる感じが残ったかなぁ。もう少し442部隊の話を掘り下げた方が良かったかな?2018/09/30
Tom
1
日系2世たちがたどった過去が、現在を生きる主人公たちの物語へと見事に収斂していく。それは戦争の悲惨さであり、生の耐え難さであるが、この試練を乗り越えた果てに待っているものは・・・。ページターナーでありながら、知の悦びを感じさせる手技は、ダン・ブラウンの小説のようだ。2018/08/12
tm.
0
「永遠の時差を乗り越え、この日付を越えて、私の明日を今日生きる君たちに手渡したい、あらゆる昨日の記憶とともに・・・」89歳の人生を1日に例えた老人の台詞。最後は自分の人生、幸福だったと思って締めくくりたい。2021/04/29